vol.21 卑怯者たち
高いフェンスに護られた無機質な建物に向かい、子どもたちが、壁の向こうに声を届けようと、力の限りに飛び上がりながら手を叩き、叫んでいた。「オッ、オッ、オッ、オー、ウーカンオノー」「ニュカンオノー」「ニューカンホーノー」……。言葉として聴き取れ...
時評エッセイ。ジャーナリストの中村一成さんが、在日コリアンやマイノリティをめぐる日本社会での出来事を、人々との出会いから紡ぎます。
なかむら・いるそん●1969年、大阪府生まれ。立命館大学卒業。1995年毎日新聞社に入社。現在フリー。著書に「声を刻む 在日無年金訴訟をめぐる人々」(インパクト出版会)、「ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件――〈ヘイトクライム〉に抗して」(岩波書店)、「ルポ思想としての朝鮮籍」(岩波書店)、「映画でみる移民/難民/レイシズム」(影書房)などがある。『ヒューマンライツ』(部落解放・人権研究所)の「映画を通して考える『もう一つの世界』」を連載中。
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