vol.23 「差別と闘う権利」を拓く 石橋学記者、控訴審で完全勝訴
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本気の一人がいれば闘える。状況は変えられる。神奈川新聞記者、石橋学さんの法廷闘争を取材する中で、その確信がまた深まった。
講演会での差別発言を「悪意に満ちたデマによる敵視と誹謗中傷」と報じられたことなどで名誉を毀損されたとして、元川崎市議選候補の佐久間吾一氏が石橋さんを相手どって起こしたスラップ訴訟、10月4日の東京高裁判決。石橋さんに15万円の賠償を命じた地裁判決を破棄し、逆転完全勝訴を言い渡した。
「控訴人(石橋さん)の敗訴部分を取り消す」。主文が読み上げられると、石橋さんは拳を突き上げた。彼の後に付いて裁判所を出ると、門の外には吉報を待つ大勢の仲間がいる。「完全勝訴」などと書いた「旗」はなかったが、彼は満面の笑みで「旗出し」の動作を繰り返した。
それ以前から筋金入りの反差別記者と認識していたが、彼の本気を実感したのもこの門前、2018年10月、東京無償化裁判の高裁判決だった…。(続きは月刊イオ2023年12月号に掲載/定期購読のお申し込みはこちらへ。https://www.io-web.net/subscribe/。