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真の雪解けへ―動きだした朝鮮半島

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5月26日、板門店の北側地域の施設「統一閣」で開かれた北南首脳会談。握手を交わす金正恩国務委員会委員長と文在寅大統領

4月27日の北南首脳会談と板門店宣言を経て、朝鮮半島情勢はいっそうあわただしく動いている。5月26日には再び北南首脳会談が開かれ、史上初の朝米首脳会談も6月12日に控える。本特集では板門店宣言の履行、朝鮮戦争の終結など今後の情勢の展望を示す。朝鮮半島の分断によって引き裂かれてきた在日朝鮮人が4.27に託す思いにも迫る。

 

 板門店宣言履行、朝米首脳会談へ
金正恩委員長と文在寅大統領、ふたたび会談

朝鮮民主主義人民共和国国務委員会の金正恩委員長と大韓民国の文在寅大統領が5月26日、板門店北側地域の「統一閣」で対面し、4月27日に続く2度目の首脳会談を行った。
朝鮮中央通信の報道によると、会談には北側から金英哲・朝鮮労働党副委員長、南側から徐薫・国家情報院院長が同席。会談で両首脳は、4月27日の首脳会談で合意した板門店宣言をすみやかに履行し、朝鮮半島の非核化を実現し、地域の平和と安定、繁栄を実現するために解決すべき問題、現在、北と南が直面している問題、朝米首脳会談を成功裏に開催するための問題で踏み込んだ意見交換を行った。…

 

激動の朝鮮半島、何がどう変わる?

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6月1日、板門店南側施設「平和の家」で開かれた北南高位級会談(写真=朝鮮新報・金淑美)

4月27日、歴史的な北南首脳会談で「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言」が採択され、新しい時代が幕を開けた朝鮮半島。5月26日にはふたたび会談が開かれ、板門店宣言履行にむけた動きが本格化しつつある。板門店宣言をはじめとする北南間の合意の内容とその履行状況、今後の朝鮮半島情勢のスケジュールを整理した。


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これを読めば情勢がもっとよくわかる!

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2000年8月15日から18日まで平壌で行われた第1回の離散家族再会事業(朝鮮新報提供)

分断、朝鮮戦争、平和協定、核問題―テレビや新聞でよく聞くけど何だか複雑でよくわからない、そう思ったことはないだろうか。現在の朝鮮半島情勢を理解するうえでベースとなる朝鮮半島現代史に関する知識をQ&Aでわかりやすくまとめた。

Q1:朝鮮半島にはなぜ2つの国ができたの?
Q2:朝鮮戦争ってどんな戦争だったの?
Q3:離散家族はなぜ生まれたの?
Q4:なぜ70年近くも戦争が続いているの?
Q5:これまで北と南の間でどんな合意が結ばれたの?
Q6:統一ってどういうプロセスで実現するの?
Q7:朝鮮半島に核を持ち込んだのは誰?
Q8:「朝鮮半島の非核化」って何を指すの?
Q9:朝鮮とアメリカの対話の歴史について教えて
Q10:日本のメディアは「約束を破ってきたのは北朝鮮」と言っているけど…

 

“蚊帳の外”・日本はどうする?

乗松聡子●ジャーナリスト

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置いてけぼりは自業自得

2018年初頭、特に平昌五輪以来顕著になってきた朝鮮半島和平のプロセスにおいて、メディアはさかんに「日本は“蚊帳の外”に置かれている」といった表現を使ってきた。「蚊帳の外」は、辞書的意味では「無視され、不利な扱いを受けること。また、物事に関与できない位置に置かれること。内情がわからない立場に置かれること」(デジタル大辞泉)。だとしたら、日本がそのような状況にあるのは全く自業自得としか言い様がない。
まずは朝鮮半島に向き合う基本姿勢さえできていない。近代日本は「征韓論」を背景に、1875年の江華島事件を皮切りとして侵略を推し進め、1910年の強制併合から残酷な植民地支配を36年にわたり行った。日本政府はその歴史を真摯に反省するどころか、「日本軍“慰安婦”」や強制連行の歴史さえも現政権が率先して、否定の方向に社会全体を牽引している。…

 

最後の「難関」に立ち向かうため、“矜持”を
出会い直したい―真の解放のため

黄英治●作家

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板門店宣言後、日本各地で在日同胞の統一への熱い思いが渦巻いた(写真は京都朝鮮中高級学校、同校のフェイスブックページより)

「朝鮮の悪魔化」の中で

文在寅大統領と金正恩委員長による第三回南北首脳会談の成果として合意、発表された板門店宣言によって、在日同胞はようやく〈戦後〉を迎えられることになりそうだ。これはもちろん、朝鮮半島と東アジアに該当することだ。だが、日本国憲法に象徴される「戦後」を謳歌した日本に暮らしながら、「国民」ではないことを理由に、この憲法が保障する権利の外に追いやられ、ふたつの戦争(闘争)がないまぜになった「戦中」を生きてきた在日同胞にとって、真の〈戦後〉の到来は、平和に生きるための必要条件を獲得するということに他ならず、格別の意義を持っていると言えるだろう。ふたつの戦争(闘争)とは、日帝強占期―植民地時代の抗日武装闘争であり、もうひとつは朝鮮戦争であることは言を俟たない。
前者の〈戦後〉は、朝鮮と日本の国交正常化による植民地支配の謝罪と賠償が行われることで、後者のそれは、板門店宣言に明示されたとおり「終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制構築のための南・北・米三者または南・北・米・中四者会談の開催を積極的に推進していく」ことで、果たされる。こうして全体民族にとって本当の〈戦後〉、板門店宣言実践による連邦制統一の時代が始まることになる。…

 

「小さな統一」の中に“痛みと想い”―その積み重ねをこそ―

金淑美●朝鮮新報政治部記者

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平昌五輪の取材で、南側の市民の声を聞く。写真中央、ICレコーダーを手に持っている女性が筆者(2月24日、原州総合体育館、朝鮮新報・盧琴順撮影)

2018年2月8日、江原道(南側)・江陵アートセンター。夕刻、平昌冬季五輪開会式の前夜祭、三池淵管弦楽団による記念公演の幕がもう間もなく上がろうとしていた。
08年以降、10年にわたって閉ざされていた北南交流の、まさに口火を切る公演を、筆者は客席脇で固唾を飲んで見守っていた。北の芸術団が南で公演を行うのは02年以来、16年ぶり。観客はどんな反応を示すだろうか、舞台とうまく交われるだろうか…。抑えようもない期待と不安が交錯していた。不安はしかし、杞憂に過ぎなかった。
幕が上がった瞬間から万雷の、文字通り万雷の拍手。全方向から降り注ぐ大歓声。観客のほとばしる思いが高波のように押し寄せて全身を包み込むような、この感覚は、身に覚えがある―。…

 


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