特集 “好きを仕事に”—私のスモールビジネス
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いま、スモールビジネスが注目されています。趣味や特技の延長線上で、身近なところからアイデアが生まれ、自分の手が届く範囲で小規模のビジネスを始めた同胞たちを紹介します。「好き」を仕事に、時間や場所にとらわれない新しい働き方を。起業はあなたの身近にあるかもしれません。
スモールビジネスとは?
小規模のビジネスのこと。個人の裁量で行える範囲の事業で、個人事業主やフリーランス、社長1人ないしは社員数名という小規模法人が含まれる。…飲食物の移動販売、ハンドメイドグッズの通信販売、各種コンサルタント、インストラクター、フリーランスのライター、デザイナー、プログラマー、各種代行業などがスモールビジネスの代表例。メリットとしては、▼少額の資金で起業できる、▼場所や時間を選ばず自由な働き方ができる、▼仕事へのやりがいを高めやすい、などが挙げられる。…
スモールビジネスはじめました
食品や雑貨販売、葬儀サービスなどさまざまな分野で起業した同胞たちを、それぞれの仕事内容と合わせて紹介します。
コロナ禍で模索した新規事業
姜偉栄さん(ペット移動葬儀サービス)
2022年4月にペット葬儀サービスを始めた姜偉栄さん。それまでは個人事業主として「iPadを使った高齢者向けの脳トレ講座」を展開してきたが、20年からの新型コロナウイルス・パンデミックによって売上が激減。新規事業を模索していた。
そこで始めたのが「移動式火葬炉を使ったペット訪問火葬」だ。ペット用の火葬炉を設置した車両で依頼者のところまで出向き、火葬を行う。完全個別火葬で、依頼者へ返骨も行う。骨を拾ってペットを送り出すセレモニー付きのプランもある。犬、猫、ハムスター、カメ、ヘビやヤモリなどの爬虫類、金魚にいたるまでさまざまなペットに対応している。…
リスクは小さく、気持ちは大きく!
朴千愛さん(ハングルカリグラフィー小物)
カリグラフィーとは手書きの文字を美しく見せる手法のことで、ギリシャ語に由来する言葉だ。近年、趣味として広く親しまれており、アルファベットだけでなくハングル(朝鮮語の文字)独自の技術も講座やテキストで手軽に学ぶことができる。朴さんは会社員として働く傍ら、2021年から1年間のオンライン講座でハングルカリグラフィーを学んだ。
趣味の一環として受講したが、ネットで自身のスキルを販売している友人が多かったこともあり、助言を受けながらチャレンジしてみることに。…
すべて手作業! 無添加ペットフード
河元盛さん(ジビエのペットフード販売)
畑を荒らす「獣害」として駆除されたイノシシをはじめとする野生動物の多くが、山に投棄されていることを知った河元盛さんは、「ただ殺されるのはかわいそうだし、もったいない」との思いから、2021年末からジビエ(鹿肉・猪肉)のペットフード加工・販売事業を始めた。
ホームページには、ジャーキーや骨、ふりかけ、ブロック肉などさまざまな商品が並ぶが、なんと、狩猟から解体、加工まですべて河さんとパートナーの手作業で行っている。…
キンパプで出会う、つながる
金仙順さん(キンパプ・惣菜販売)
キンパプ(朝鮮風海苔巻き)を中心に各種朝鮮料理の惣菜、お弁当の販売を行う。東京朝鮮第9初級学校(杉並区)で講師を務める金さんがこの仕事を始めたのは2021年3月から。実家が飲食業を営んでいたが、金さんにとっては初めての経験。準備に1年をかけ、学校のオモニ会活動を通じて出会った安朋美さん(46)をパートナーに、研究と試作を重ねた。…
収入よりもやりがい重視
林優美さん(名入れ・似顔絵デザイン小物)
ランチバッグ、巾着、シューズ入れ、エプロンやTシャツなど、普段使いする小物や衣服にオリジナルの似顔絵と名前を入れてくれるサービス。東京朝鮮第9初級学校の保護者である林さんが2021年7月に始めた「Toumi」は、シンプルながらも真似のできないデザインで口コミを通して話題を集めている。…
人生、いつでもスタート!
女性たちのスモールビジネス
出産、子育て、介護を経ての「人生の折り返し地点」で、再チャレンジをする女性たち。そんな女性たちの中にも、スモールビジネスという働き方が増えている。チャレンジに向かったその思いを聞いた。
3人の子育てをしながら
2022年2月に神戸市で習字教室「仙羽書道院」を立ち上げた任仙羽さんは、41歳。4歳児から70代までの約12人に習字を教えている。…
リトミック教室をスタート
鄭潤稀さん(37、尼崎市在住)も任さんと同じように、幼い頃から身につけたピアノを生かし22年4月、「uniqueリトミック教室」を始めた。…
「産後ドゥーラ」という仕事
2年前に「産後ドゥーラ」という仕事を始めたのは金京愛さん(58、東京都在住)だ。1世の両親の介護や子育てが重なり、44歳のときに会社を辞めフリーに。…
「喜びの便り」届けたい
お仕事に密着! 尹亮二さん
レザークラフト作家として活躍中の尹亮二さん(34、群馬県在住)。尹さんを訪ね、その仕事ぶりをのぞいてみた。
始まりは「趣味」「得意」から
群馬県東部に位置するみどり市内の自宅の一室が尹さんの作業場だ。室内にはシンプルな作業机が一つ。主に使う道具は革包丁、キリ、ハサミなど数種類で、機械類はミシンと電動革漉き機。作業場は思ったよりも整然としていた。
SNSでオーダーを受けて、財布、キーケース、カードケースなどの革小物を制作する。ほぼすべての工程が手作業だ。顧客への商品発送も自ら行う。…
スモールビジネスから世界へ
NYで日本茶ブランドを立ち上げた NODOKA 洪秀日さん
大学を卒業し、ニューヨークで働いていた20代の頃、海外で提供されているお茶が、日本茶(JAPANESE GREEN TEA)というブランドにもかかわらず日本産の茶葉ではない場合もあることを知り、驚きました。
NODOKAは「本物の日本茶を海外へ伝えたい」という想いから生まれました。…
ホン・スイル
1985年東京都生まれ。朝鮮大学校経営学部卒業後、商工会勤務を経て、Japan Expo日本支社に入社。日本企業の海外進出支援や人的交流の促進のためのイベントの企画・運営に携わる。2011年3月の東日本大震災後、NPO法人「PLAY FOR JAPAN」スタッフとして活動。13年より拠点をニューヨークに移す。17年、オーガニックティーパウダーブランド「NODOKA」を立ち上げた。
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