【WEB版写真特集】イギョラ!朝高ラグビー⑥/大阪朝高、最後までみせた闘志・府準優勝で今季締めくくる
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11月16日(日)、大阪府予選決勝に挑んだ大阪朝鮮中高級学校ラグビー部は、大阪桐蔭高校に0-38(0―24)で敗れ、あと一歩のところで全国大会出場という目標を叶えることができませんでした。イオ編集部では、準々決勝を控えた時期から同チームに密着取材を行ってきました。
決勝戦の詳報と、最後の最後まで勝ちにいく姿勢を崩さなかったチームの姿を写真で、また熱のこもった試合後のコメントも合わせて紹介します。これからも朝高ラグビー部を応援していきましょう!過去の写真特集はこちらから。
大阪朝高の戦績

第105回全国高等学校全国ラグビーフットボール大会大阪府予選(第3地区)
○準々決勝 vs関西大学第一高校 53―0
○準決勝 vs常翔啓光学園 96―0
●決勝 vs大阪桐蔭高校 0―38
試合詳報
第105回全国高等学校ラグビーフットボール大会の大阪府予選・第3地区決勝が11月16日、東大阪市花園ラグビー場第1グラウンドで行われた。2023年以来、2年ぶりに予選決勝へ進出した大阪朝鮮中高級学校は、大阪桐蔭高校と対戦。立ち上がりから両校の激しい攻防が続くなか、低いタックルで粘り強く守る朝高のディフェンスが光る場面もみられたが、前半9分、一瞬の隙からトライを決められ先制を許す。

その後、朝高は同12分、20分、25分、27分と果敢に攻撃をしかけ、得点チャンスをつくるも決めきれず。一方で、相手ミスからこぼれたボールを拾い、精度の高いパスで繋ぐなど、確実にチャンスをものにした桐蔭が得点を重ね、0―24で前半が終了した。
後半は、開始早々から朝高が、敵陣でのアタックでプレッシャーをかけて、相手のペナルティを誘う。またラインアウトからの見事なスティールなど度々チャンスをつくるが、なかなか得点につながらず、開始6分で、後半最初のトライを許してしまう。その後、朝高は、点差を感じさせない攻撃的なプレーで観客を沸かせるも、決定力不足が仇となり、結果0―38で悲願の「花園」出場を逃した。

対戦した大阪桐蔭の綾部正史監督は「自分たちの形でスコアできたところ、朝高さんの本当にひたむきな、僕らが学ばなきゃいけないところが重なったゲームだった」「ひたむきに真っ向勝負してくれる朝高さんはリスペクトしているチームだ。ラグビーの原点を吸収できた」と語った。
JSPORTSで配信された同試合の解説を担当した今田圭太さんは「すごく見ごたえがあるゲーム。38―0のゲームではないような重厚な試合だった」と両校の健闘をたたえた。
試合後のコメント
文賢監督
ゲームプラン的には、自分たちがすべきことはしていたと思うが、肝心なところでミスが出てしまった。一つひとつのプレーの精度において相手の方が上手で、チャンスをものにできなかった。それが敗因だ。
60分間を通じて全員が体を投げ出してディフェンスを頑張った。スクラムやモールでは相手の方が、体重が重いという不利な状況の中でもやられなかったことは1年間の練習の成果だと思う。ディフェンスにおいても最後まで果敢にタックルにいった。大阪朝高らしいゲームだった。
これまでたくさんの人たちのサポートがあってやってこられた。それに対する感謝の気持ちをプレーで表そう、そんな選手たちの姿を見て大阪朝高でラグビーをしたいと思う小学生、中学生たちを一人でも多く作れるような試合をしようという心構えで試合に臨んだ。
選手たちには、年間を通じてラグビーだけでなく学校生活全般でラグビー部が中心的な役割を果たそう、そういう姿勢が必ずプレーにも表れる、そのように指導してきた。生徒たちはその教えをよく守って、これまでやってきてくれた。
引退する高3は、今後大学へ進学するにしろ、社会に出るにしろ大阪朝高ラグビー部で3年間学んだことを生かしてもらいたい。1年生、2年生たちには、どうすればAシードのチームに勝つことができるのか、今日の試合を通じて自分たちに足りないものを補って、「花園」の舞台に再び帰ってくるためにがんばってほしい。
そして大阪中高の生徒、保護者、同胞たちが勝利を信じて最後まで応援してくれる姿に、感謝の念を禁じ得なかった。次はその思いに優勝という結果で応えるために、これから新チームづくりに邁進していきたい。
崔皇鳳主将(高3、No.8)
敗戦は率直に悔しい。
試合を振り返って、大阪朝高伝統のタックルがうまく決まった場面もあったし、ディフェンスの面では自分たちのいいところが出せたと思う。半面、相手チームにゼロ点に抑えられてしまったのはよくなかった。なんとしてもトライを取りたかった。
自分たちは部員数24人という少ない人数の中でやってきた。朝高を取り巻く社会的環境は厳しい。そんな中で、今期のスローガンに掲げた「懸命」という言葉にも表れているように、一人ひとりが命がけで今日死んでもいいくらいの心構えで試合に臨んだ。また、試合を観に来てくれた同胞たちと全校生徒に、これまでの応援やサポートの恩返しをしようという思いも強かった。みんなの応援は試合中も聞こえてきて、それが自分たちの力になった。けれど体格やパワーの面で自分たちが押し込まれ、1対1の場面で負けてしまって、相手の勢いを止めきれなかった。
今年のチームは3年生の人数が多いチーム。1年生、2年生には、われわれ3年がいなくなった後も大阪朝高ラグビー部の伝統を守っていってほしい。
決勝





















練習風景など















































(文・写真:李相英、韓賢珠)







