【イオニュースPICK UP】「応援される高麗クラブ」へ /第1回高麗ラグビーフェスティバル
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「第1回高麗ラグビーフェスティバル」(主催=東京闘球団「高麗」)が6月4日、東京朝鮮中高級学校で開催された。クラブ関係者だけでなく、ラグビー愛好家や在日同胞、日本市民や外国人市民ら約250人が集まり、にぎわった。
高麗クラブの黄徹秀監督(35)は、「応援される高麗を目指している。フェスタは全国大会出場に向けたチーム力の強化につなげるため企画された。これからも毎年行っていく」と話した。
グラウンドでは、エキシビジョンマッチや公式戦が行われ、「全国一勝」の目標を掲げる高麗クラブはこの日行われたスーパーマンR.F.Cとの試合に勝利。東京都リーグ優勝を果たし、東日本クラブ選手権に駒を進めた。
会場では、大焼肉会が行われ、ラグビーを通じたさまざまな人びとの交流の場となった。朝鮮大学校を卒業し、現在、リーグワンでプレーする金秀隆選手(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)をはじめプロラグビー選手たちによるラグビー教室が行われ、中高ラグビー部員たちにとって貴重な経験となった。
高麗クラブの金明俊部長(37)は、今イベントを開催するにあたって「支えてくれる人たちに還元したいという気持ちがあった」とし、「競技力ももちろん大事だが、チーム力を上げ、愛されるチームを追求し続けている。人の輪が広がると、可能性が広がり、見えないところでいい影響がたくさんあると思う」と話した。
この日、昨年度の全国クラブ選手権で準優勝した大阪の「千里馬クラブ」の関係者も駆けつけた。千里馬クラブ監督の韓裕樹さん(41)は、全国出場の際、多くの協力を受けた恩返しをしたく大阪からやってきたという。韓さんは、「全国大会で高麗と千里馬が試合をし、同胞社会を盛り上げていこう」と高麗クラブに呼びかけた。
現在、高麗クラブは東京朝鮮中高級学校を拠点に練習を行い、東京朝高ラグビー部とも切磋琢磨しながら、活動している。「『憧れられる高麗』というのを具現化することで、自分たちの存在の正当性をアピールもでき、それによって在日同胞社会に貢献できる」(黄徹秀監督)。また、SNSをはじめとする広報戦略に力を入れたことによって、高麗でプレーをしたいという人や高麗と練習試合をしたいといった要望が増えているという。高麗クラブはウリハッキョを拠点に多くの人を魅了し、人びとを呼び込み、ラグビーを通じてつなげる役割を担っている。(文・写真:康哲誠)