京都ウトロと川崎桜本のハルモニたちが交流
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交流会当日、ウトロ農学隊のプンムルで盛り上がりは最高潮に
再会の約束叶え、2年ぶりに
文・写真:韓賢珠
京都同胞大運動会2025が3月30日、京都朝鮮初級学校で行われた。総聯結成70周年、青商会結成30周年に際して京都府青商会が主催した大運動会に、府内を中心に老若男女の同胞ら約670人が一堂に会した。
川崎の在日朝鮮人1世、2世のハルモニたちを追ったドキュメンタリー映画『アリラン ラプソディ~海を越えたハルモニたち~』(金聖雄監督、2023年)の上映会が、京都市内で開かれたのが、今から約2年前の23年6月。上映会には、映画に出演した川崎のハルモニたちや、ウトロの住民ら約270人が駆けつけた。
この日の交流は、当時の上映会参加に際してウトロで交流を深めた両者の約束が叶った形だ。ウトロからは在日2世のハルモニたち4人とウトロ平和祈念館の金秀煥副館長など関係者たちが参加。また桜本からは識字学級「ウリマダン(私たちの広場)」に通うハルモニたち9人と川崎市多文化交流施設「ふれあい館」の崔江以子館長など関係者らが参加した。
色とりどりのチマ・チョゴリを身にまとい歓迎した川崎のハルモニたちと、おそろいのTシャツ姿でやってきたウトロのハルモニたち。交流会ではまず、両地域の歴史について、金秀煥副館長と崔江以子館長が解説した。

ハルモニたちを囲んでの記念撮影
近鉄京都線伊勢田駅から西の方へ徒歩10分ほどの場所に位置するウトロ地区は、元の地名だった「宇土口(うどぐち)」を「ウトロ」と呼んだことから、それが通称名となり、現在では正式名として広く知られるようになった。かつてここで集落を形成し生活した朝鮮人労働者の数はおよそ1300人。その背景に日本の国策として1940年から進められた京都飛行場建設がある。
一方で旧日本鋼管(現在のJFEスチールの前身、1912年設立)など川崎市には、かつて日本の軍需産業を担った企業の工場が集中しており、市南部の桜本や池上町、浜町など工場群の隣接街に、強制連行や徴用などでやってきた多くの朝鮮人労働者たちが集住していた。
近年は、「ふれあい館」に在日朝鮮人をターゲットにした脅迫ハガキが届く事件(2020年)や翌21年にウトロで放火事件が起きるなど、ヘイトスピーチやヘイトクライムの標的にもなった両地域。崔館長はこのような逆境のなかで「これからを生きる子どもたちのために権利を勝ち取ってきたのがハルモニたち」だとしながら、その闘いの結実として「ふれあい館」が開館したことなどを伝えた。
近年は、「ふれあい館」に在日朝鮮人をターゲットにした脅迫ハガキが届く事件(2020年)や翌21年にウトロで放火事件が起きるなど、ヘイトスピーチやヘイトクライムの標的にもなった両地域。崔館長はこのような逆境のなかで「これからを生きる子どもたちのために権利を勝ち取ってきたのがハルモニたち」だとしながら、その闘いの結実として「ふれあい館」が開館したことなどを伝えた。
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以上が記事の抜粋です。全文は本誌2025年7月号をご覧ください。
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