助詞-을/를の使い方について
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朝鮮語と日本語は文法構造が似ていますが、似ているからこそ間違えやすい箇所もあります。今月は助詞-을/를(~を)の特殊な使い方について習います。
이번 휴가에는 려행을 가려고 해요.
今度の休暇には旅行に行こうと思います
「旅行に」と言いたい時につい「려행에」と言ってしまいがちですが間違いです。目的地の場合は-에(~に/へ)を使いますが、등산(登山)や류학(留学)、쇼핑(ショッピング)など動作を表す名詞の場合は-을/를を使います。
동생은 먹는것을 좋아해요.
妹/弟は食べることが好きです
「~が好きだ」の場合も-이/가(~が)ではなく-을/를を使い、-을/를 좋아해요になります。ただし좋아요(いいです)の前では-이/가を使います。
例:오이김치가 좋아요.(オイキムチがいいです)
비행기를 타고 친구를 보러 갔어요.
飛行機に乗って、友達に会いに行きました
乗り物の場合も-을/를を使います。間違えて비행기에としないように気をつけましょう。また보다はここでは「見る」という意味ではなく「会う」という意味ですが(보고싶다は「会いたい」)、人に会う場合も-을/를を使います。
例:어제 선생님을 만났어요.(昨日先生に会いました)
●コラム 副詞の位置に注意!
日本語は副詞の位置についておおらかですが、朝鮮語は厳格です。例えば日本語では「よく映画を見ます」でも「映画をよく見ます」でもそんなに不自然ではありませんが、朝鮮語の場合、자주 영화를 봐요ではなく영화를 자주 봐요が自然です。朝鮮語では副詞が動詞の直前に来ると覚えましょう。
また副詞の더(もっと)も、日本語と語順が逆になるので間違えやすいです。
例:もう一回【正】한번 더【誤】더 한번/もう一つ【正】하나 더【誤】더 하나
筆者:金泰植
きむ・てしく●1980年生まれ。茨城朝鮮初中高級学校、朝鮮大学校外国語学部卒業。九州大学博士課程修了(比較社会文化)。現在、早稲田大学で客員次席研究員をしながら津田塾大学、聖心女子大学などで朝鮮語を教える。NHK出版の『ハングル練習帳』に連載や、K Village Tokyoのテキストなどを執筆。