朝鮮幼稚園はずし「知恵絞り、アクションを」/埼玉、大阪など各地で連絡会結成

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10月からの幼保無償化

10月1日から始まる幼保無償化の対象から朝鮮幼稚園など各種学校認可の外国人学校幼児教育施設や幼稚園類似施設が外されている問題と関連し、「すべての子どもを対象にした法の趣旨に反する」と批判の声があがっている。各地の朝鮮幼稚園では説明会が続々と開かれ、保護者たちは連絡会を結成し、自治体への要望を始めた。

さいたま市長に要望書

埼玉朝鮮幼稚園(さいたま市、朴洋子園長)では、8月31日に保護者緊急集会が同園で行われ、「幼保無償化を求める埼玉朝鮮幼稚園保護者連絡会」(共同代表:金初美、尹致力)が発足した。朝鮮民主主義人民共和国の各機関、外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉、埼玉県平和運動センター、埼玉教職員組合などから届いた連帯メッセージも紹介された。
埼玉では昨年、無償化適用を目指した研究会が発足。今年5月には保護者向けの説明がなされ、8月23日には保護者たちが清水勇人・さいたま市長宛ての要請書を提出し、同幼稚園を対象とするよう求めるなど対応を急いできた。
集会では7月に結成された「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」の宋恵淑代表(在日本朝鮮人人権協会)が朝鮮幼稚園排除の問題点について講演した。宋さんは、当初「認可施設に限る」としていた幼保無償化が、認可外施設などに通わせる保護者の反対を受け、認可外保育施設(以下、認可外)も対象となった(18年5月)経緯を説明。しかし、外国人学校幼児教育施設は7回にわたるヒアリングに呼ばれず、調査もなされなかったとして「無償化の対象を決めるプロセスが差別的。最初から排除ありきだった」と非難した。
一方、朝鮮学園側の対応について、昨年8月に専門家による研究会が発足された後、各種学校の幼児教育施設が認可外の届出もできることを確認のうえ、全国の朝鮮幼稚園が都道府県への届出を始め、うち東京の2校が受理されたこと、しかし4月5日、厚生労働省が各種学校認可を持つ施設は認可外と認めるべきではないという「技術的助言」を出し、届出が受理されない事態が続くなど、政府が朝鮮幼稚園を外そうと意図的に動いてきた経緯を説明した。また、この間、国会議員や地方議員への要望を重ね、同じく排除された幼稚園類似施設などと連携を持ち、8月5日には国会で院内集会が開かれたことも報告した。
最後に宋さんは、差別なき無償化を実現するための行動計画について、「10月1日までの短期決戦になる。各種学校を対象として認めるよう要望しよう。完全除外されないよう、知恵を絞っていこう」と訴え、地方レベルで積極的に働きかけようと呼びかけた。「志木市で幼稚園類似施設保護者に対して2万4000円を上限に補助するとしているが、こうした市区町村などで行われる独自の支援策にウリ幼稚園が適用されるように働きかけたり、要望の過程で、過去に停止、削減された補助金を獲得していくことが大切だ」と指摘。日本の研究者たちが始めた「多種多様がどうしてダメなの?」の署名に7000人以上が賛同したとしながら、関係省庁や議員、弁護士会やマスコミ関係者たちに現場を見てもらい、保護者たちの思いや表情を通じて当然の権利を勝ちとろうと訴えた。

各種学校認可を守る意味

講義の後、質疑応答が行われ、参加者たちは「いち保護者として何ができるか」「この差別をどのように日本社会や世界に訴えればいいのか」などを積極的に質問していた。そこで宋代表が各種学校認可を守る意義について語った部分は以下。
※ ※
当初、厚労省は問合せに対し、各種学校は、認可外保育施設として届出をできると言っていた。だからこそ届出をし、東京の2園が受理された。しかし4月に厚労省が各種学校の幼児教育施設を認可外として認めるべきでないとして、自治体にこれを周知させた。しかしこれはあくまでも朝鮮学校への補助金支給に関する「3・29通知」と同様の「技術的助言」にすぎないもので、各種学校の幼児教育施設が認可外保育施設として届出することを禁じるような法的根拠や規定などは存在しない。実際に、東海地方のブラジル学校のなかには各種学校認可を受けていながら認可外保育施設としての届出を行っている実例がある。
日本各地の朝鮮学校や朝鮮幼稚園は、日本政府による差別が続くなか、闘って各種学校の法的地位を得てきた。これにより、固定資産税が免除され、教職員は私学共済に入ることができる。各種学校でなくなることによるデメリットを鑑みると、現状ではその地位を手放してまで認可外になることは考えられない。
西東京第2初中(東京都町田市)の幼稚園が数年前に2歳児クラスを出す際、認可外の申請を行おうとした所、都の担当者からしなくてもいいといわれた。各種学校として認可外より厳しい審査基準をクリアしているからだ。日本政府は朝鮮幼稚園が各種学校として幼児教育をしっかり行ってきた歴史性を無視し、他の施設を巻きこみながら除外しようとしている。
無償化差別について、国連の人権条約機関で度々是正勧告が出ているが、日本政府は世界からの批判を隠し、勧告の周知を怠っている。今後も子どもに関連する国際条約機関に訴えつつ、日本国内にそれをアピールしていく。また、ブラジルの学校や大使館、外国人学校と連携していくことが大切だ。

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