新連載「コロナＳＯＳ」vol.9

Q1:雇用調整助成金の特例が延長されたと聞きました。具体的に教えてください。

△事業主向け

2回目の緊急事態宣言を受けて、改めて雇用調整助成金の申請を予定している事業所も多いことでしょう。現在公表されている内容をお伝えいたします。

1．緊急対応期間（特例措置）の延長

2020年より様々な緩和措置が取られている雇用調整助成金ですが、現在の特例措置（緊急対応期間）が2021年4月末まで延長されることが決定しています。

上記期間内は引き続き1日1人1万5000円を上限に、従業員に支払う休業手当の最大100%が助成されます。

また、一定の要件を満たす大企業に関しても助成率最大100%が適用されることとなりました。

更に、助成率が100%となるためには20年1月24日以降解雇等を行わず、かつ従業員数を4/5以上に維持している必要がありましたが、こちらの要件も緩和され21年1月8日以降に解雇等を行っていなければ、21年1月8日以降4月末までの休業については助成率が100%となります（「労働者数4/5以上」要件は廃止）。
※支給要件の緩和等、一部の大企業は対象外です。厚生労働省HPなどで必ずご確認ください。

2. 5月以降の段階的縮減措置

現行の緊急事態宣言（3月8日解除）を前提とした場合、特例措置は5月以降に段階的に縮減される予定です。

具体的には、
①1日1人当たりの助成額の上限の減額
現行：1万5000円→5月～6月：1万3500円

②助成率の縮減
現行：100%→5月～6月：90%（中小企業）

とされており、雇用情勢が大きく悪化しない限り、7月以降は更に縮減するとのことです。

ただし、日本政府により、まん延防止等重点措置対象地域に指定され時短営業に協力したり、特に業況が厳しい企業に関しては従来の特例が適用されるともしており、対象となるかどうかは個別の状況を見る必要があります。

△労働者向け

働く会社が休業手当を支払ってくれず、収入が減ってしまった労働者向けに昨年新たに創設された休業支援金・給付金（休業前賃金の8割支給。1日上限1万1000円）ですが、大企業で働く労働者が対象から外され、かねてより問題視されていました。

それが2回目の緊急事態宣言を受けて、2021年1月8日以降の休業に関しては大企業で働く非正規労働者（シフト労働者等）も対象となりました。更に、対象から外されていた昨年4月～6月分も遡って支給申請が可能です（この期間は休業前賃金の6割支給）。

企業規模を問わず新型コロナの影響でシフトが減り、給与が従前より減った方は受給の可能性があるので、こちらも厚労省HPなどで是非支給要件をチェックしてみてください。

・雇用調整助成金
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

・休業支援金・給付金
https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html

※筆者bolgにおいても関連情報を随時お伝えしています。ご利用ください。
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