家族の想いを巻き込んで/コンジュキンパ(京都市左京区)
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記念日のお供にぴったりなオードブルはお店の人気メニューだ
京都・北白川の閑静な住宅街に佇む「コンジュキンパ」。店長の朴梨花さん(47)がつくる「韓国おうちごはん」が、じわじわと評判を集めている。料理上手な母の影響で、幼い頃から料理に親しんできた朴さん。「母が地域の日本の人たちに公民館でキムチやチゲなどを教えていて。そんな母が料理するときはいつも隣にいました」。転機は15年ほど前、娘2人が通う保育園で仲良くなった保護者たちにお手製の料理を振る舞ったことだった。以降、「誰かに提供する楽しさ」を感じて自宅で料理教室を始めた。

店名に掲げた看板メニュー・コンジュキンパ

うずらの煮卵「うずらししとう」はやみつきになること間違いなし

2階のイートインスペース

店頭には食欲をそそる各種キンパが並ぶ
店を持つきっかけは、夫でオーナーの李伸也さん(48)の独立。24年勤めた会社を退職し、新たな道を模索する中で選んだのが、朴さんの料理の腕を活かしたテイクアウト専門店だった。コロナ明けにシェアキッチンでのテスト出店を経て、2024年7月に待望の店をオープンした。
コンセプトは「ていねいに作った韓国おうちごはん」。「家庭料理の延長で、安心して食べてもらえる店を目指しています」と朴さんはいう。少なくない韓国料理屋が辛さを前面に出す中、同店では優しい家庭の味にこだわっている。保存料不使用で、一つひとつ手作業で巻くキンパのなかでも、店名に掲げた「コンジュキンパ」は、お揚げやシソ、カニカマなどが入った優しい味わいの人気メニューだ。また記念日のお供にぴったりなチャプチェやチヂミ、ヤンニョムチキンなどでつくるオードブルも注文が絶えない。オープン以来、精力的にこなす近隣の大学への出張販売や地域のイベント出店も好評で、来訪客の多くがリピーターだという。

オーナーの李伸也さん(左)と店長の朴梨花さん(右)
10代の頃に学生会と出会い、その後、留学同や朝青、青商会での活動を通じて同胞コミュニティと密に関わるようになったという李さん。日本学校出身のかれと、大学まで民族教育を受けた朴さんに共通するのは、ウリハッキョやコミュニティへの愛情とそのつながりを大事にしていることだ。自身について「ただのお人よしです」と笑う李さんだが、店の至るところに、そんな2人の思いが「居心地のよさ」として表れているのも魅力の一つ。
“オモニの味”を原点に磨き上げた、朴さんと李さんの「家庭の味」。どこか懐かしさを覚えるキンパをぜひ一度堪能してほしい。

Wキンパデラックス弁当
コンジュキンパ
〒606-8252 京都市左京区北白川上終町22-6
Tel:075-708-5104
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜日
※お弁当、オードブル予約は2日前まで
メニュー
コンジュキンパ1本700円、チャプチェ450円、ハーフキンパ弁当(チキン)1100円他/オードブル(4人分)6000円