【イオニュースPICK UP】沖縄で訴える朝鮮の平和統一 朝鮮統一支持運動第41回全国集会
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集会に先立ち、関東大震災朝鮮人虐殺から100年に当たって制作された映像「歴史は告発する―関東大震災朝鮮人虐殺100年」が上映され、これからも虐殺の真相究明と責任追求を続けることが確認された。
集会では初めに、石川元平現地実行委員長(元沖縄県教職員組合中央執行委員長)があいさつした。石川実行委員長は、琉球国を「明治維新」後の日本国新政府が武力併合したことを説明。そのような歴史的な事実と沖縄戦の不都合な事実を認めない人たちが現在、日米同盟の強化、普天間基地の辺野古移設を推進しているという問題意識を共有した。石川さんは、日本政府が米軍基地の特権を許容しており東京の空も米軍が握っている状況について言及。「日本はまだ主権国家、独立国家ではない。我々が決起しない限りは平和な未来を切り開けない」と訴えた。
来賓あいさつとして総聯中央本部の徐忠彦副議長兼国際統一局長があいさつした。副議長は、朝鮮半島と沖縄は外部勢力の侵略によって交流を閉ざされ、その後も米国という外国勢力によって翻弄されてきたと指摘。また、今年7月、朝鮮戦争の停戦70周年を迎えたが、東アジアにおける米軍のプレゼンスにより、この地域では未だに不安定で緊張した状況が続いてると強調。日本の真の平和と安全、自然豊かで美しい沖縄を取り戻すためには、朝鮮半島の自主的平和統一、そして過去清算に基づく朝・日関係正常化が必須であるとし、本集会と国際シンポジウムが朝・日、そして米・中の民衆が連帯する重要な契機となるだろうという確信を表明した。
続いて、高良鉄美参議院議員(沖縄の風)もあいさつした。高良議員は21日に朝鮮民主主義人民共和国から打ち上げられた軍事偵察衛星に対して、日本政府が発令したJアラートに言及。これまでの朝鮮の偵察衛星打ち上げに抗議する決議の参議院本会議での採決を棄権したことを話した(集会後、29日に行われた参議院本会議での抗議決議に高良議員は初めて「反対」し、同会派の伊波洋一議員も棄権した)。高良さんは朝鮮が行動するに至った日韓・日米間の軍事演習などの背景の認識が国会において欠如していると指摘。また、幼保無償化制度からの朝鮮幼稚園の除外が日本国憲法が定めた基本的人権の尊重、教育を受ける権利の保障から逸脱しているとのべ、「今の不条理を訴える沖縄の姿と重ねながら私自身も共に頑張っていきたい」と意気込んだ。
集会では、朝鮮対外文化連絡協会とフォーラム平和・人権・環境から送られた祝賀メッセージが代読された。
続いて基調報告として、北川広和・日本委員会事務局次長が▼朝鮮を敵視し、朝鮮半島の軍事緊張を高める米韓日軍事演習の中止を求めること、▼朝鮮戦争休戦協定の平和協定への転換を目指すこと、▼関東大震災朝鮮人虐殺から100年を迎える今年、日本政府に虐殺の真相究明を求めること、▼沖縄も朝鮮半島も戦場にさせないことを訴えた。
特別報告では、元総聯沖縄県本部の金賢玉さんが、沖縄において総聯本部が結成され、沖縄県民と交流することによって互いの理解が深まってきたと語った。金さんは、朝・日の有志たちが日本の植民地支配によって沖縄に強制連行された人々について記録した『第二次大戦時沖縄朝鮮人強制連行虐殺調査団報告書』が1972年に発行されたことを紹介。それをきっかけにして、全国各地での調査活動が活発になっていったことを振り返った。
さらに、沖縄大学名誉教授の中村芳信さん、日朝友好連帯群馬県民会議の宮川邦雄事務局長をはじめとする県内外の各界人士たちからも発言があった。
最後に集会アピールが採択された。
閉会宣言をした南城市議会議員の瑞慶覧長風さん(真南風会)は前日の23日に県内で行われ、主催者発表で1万人以上が集まった県民平和大集会で司会を務めた。瑞慶覧議員は、9月に沖縄で行われた朝鮮半島停戦70年のシンポ(シンポを紹介した朝鮮新報の記事はこちらから)にも参加し、日本が植民地支配と侵略戦争により今の朝鮮半島の現状を醸成したにもかかわらず、敵基地攻撃能力を保持するという状況はあってはならないと実感したという。済州島と沖縄にルーツがあるという瑞慶覧さんは「アジア全体が平和な地域になるように行動していきたい」と宣言した。(文・写真:康哲誠)
国際シンポジウムについてはこちらから。