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月間イオニュース vol.4

労働者の現状を変えたい、たたかう人の声を広げたい

松原明(レイバーネット日本・共同代表)

【レイバーネット日本】レイバーネット日本は「はたらくものの情報ネットワーク」として、2001年2月に発足した。インターネットを活用した労働・社会運動として、ウェブサイトによる報道・ネットTV・映画祭・フェスタ・川柳など多様な形で情報発信を続けている。年会費3000円のゆるやかなネットワークで、現在会員数は560人である。

 

 

Q:群馬の朝鮮人犠牲者追悼碑裁判、どんな判決が出たの?

A:県による裁量権の乱用、違法性を認める

Q1:そもそも群馬の追悼碑裁判ってなに? いったいなぜ起こったの?

A1:2004年4月17日、群馬県高崎市にある県立公園・群馬の森の園内に「記憶 反省 そして友好」という追悼碑が建てられたんだ。
この追悼碑は、過去に日本が朝鮮半島を植民地にした時、鉱山や軍需工場などで過酷な労働を強いられ犠牲となった多くの朝鮮人を悼むために建てられたもので、群馬県と日本の市民団体である追悼碑を建てる会(現・守る会)が、約5年ものあいだ話し合いを重ねてやっとのことで建立に至った。けれど、12年頃からはじまったいわゆる「ネトウヨ」の誹謗中傷や、右翼団体による街宣活動をきっかけに、14年7月、群馬県が今後の設置については許可しない、撤去するよう突如、守る会側に通知してきた。
それで守る会は、右翼団体の理不尽な攻撃によって、一方的に碑の撤去を求めた群馬県を相手に、処分の取り消しと設置期間の更新を許可するよう訴訟を起こしたんだ。

Q2:今回の裁判で重要なポイントは?

A2:追悼碑裁判の争点は3つ。一つ目は、追悼集会での「政治的発言」を理由に、県が不許可を決定したんだけど、その判断は、憲法で保障されている「表現の自由」の侵害にあたるのかということ。そして二つ目は、建立以降、犠牲者を悼む目的で毎年行われてきた追悼集会の場で、仮に「政治的発言」があったからといって、行事の性質そのものが設置条件に違反する「政治的行事」になるのかということ。
最後の三つ目は、そもそも県が守る会側へ更新不許可について通知したのは、双方での話し合いを続けている最中の出来事だったんだ。そんな中で、一方的に碑の撤去を求め、設置更新を不許可とした県側の判断が、行政による「裁量権の逸脱」にあたるのか、以上の3つが主に法廷で争われた。

Q3:それで裁判所が出した判決内容はどのようなものだったの?

A3:2月14日、前橋地裁は、県が行った不許可処分について「合理性、妥当性に欠けており、裁量権を逸脱した違法がある」として処分の取り消しを命じた。今回の地裁の決定により、今後、県側は、碑の設置と更新について許可をするのかどうか、判断をせまられることになったんだ。けどその一方で、守る会側が求めていた碑の更新申請許可の義務付けについては棄却され、争点だった「表現の自由」の侵害の有無については、「表現の自由といえども絶対無制約のものではない」として、原告側の主張が退けられた。
また、両者による協議の過程で碑文案から「強制連行」という文言を削除した経緯を踏まえ、裁判所は「死者を悼む目的を超えて、政治性を帯びることは否定できない」として、過去の追悼集会が、県側の主張した「政治的行事」に含まれるという判断をしたんだ。


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