
オープニングの一幕
文:康哲誠、韓賢珠、写真:韓賢珠、康哲誠、盧琴順(朝鮮新報)
朝鮮歌舞団創団60周年を記念して、日本各地6つの朝鮮歌舞団(東京、京都、大阪、兵庫、広島、福岡)が合同ツアー公演「還暦大祝宴(환갑대잔치)」を大阪(2025年12月4日)、京都(7日)、東京(11日)で5回にわたって開催した。地方歌舞団の合同公演は31年ぶり3度目で、ツアー形式は初めて。昼の部と夜の部合わせて約1700人が観覧した東京公演のようすを、出演者や観客らの声も交えて伝える。
人が刻む感謝と決意
全団員24人が出演するオープニング曲「おめでとう」で幕を開けた公演第1部。歌舞団が歩んできた60年の歴史を振り返るべく、朝鮮の名曲と同胞たちに愛されてきた演目が次々と披露された。2024年入団の新顔・文愛瑛さん(東京)と白大真さん(兵庫)による混声二重唱「道連れ」、カヤグム演奏「丸太小屋の糸車」、アップテンポで異彩を放つ歌と踊り「口笛」などが続き、全団員による「我らの誇り限りなし」が1部を締めくくった。
第2部はコンテンポラリー・ダンスの要素を取り入れた創作作品「潔・結・決」で始まった。続いて、金潤基さん(福岡団長)と呉明姫さん(京都副団長)らによる民謡「海の豊漁歌」、若手舞踊手たちによるスピード感たっぷりの「小太鼓の舞」などが披露され、会場の熱気も上がっていく。和やかな抽選会のあと、エンディングを彩ったのは民謡「モランボン」。客席では観客が出演者たちとともに踊るなど会場は一体感に包まれた。

「60」と刻まれた鯛を掲げる出演者たち
舞台上、東京歌舞団団長の李允彰さん(39、歌手)がマイクを握った。「60年の歳月、同胞たちの愛情の中で育った歌舞団は今日24人でその伝統を継いでいます。これからも歌舞団は同胞たちが求める場所であればどこへでも走っていきます」―。決意に満ちた団員たちに万雷の拍手が降り注ぐ中、記念公演の幕が下りた。
今回のツアー公演の成功の陰には公演を下支えするアドバイザーらの存在があった。東京を拠点とするダンスカンパニー「水中めがね∞」に所属するダンサー・金愛珠さん(32)は、コンテンポラリー・ダンスを得意としており、「潔・結・決」の振付アイデアや作品の質向上のためのサポートをしてきた。「舞台上で表現するのはすごく大変なこと。技術云々以上に、今回の公演にかける歌舞団の強い思いが観客にもしっかりと届いたはずだ」(金さん)。

京都歌舞団の姜侑里団長
16年間の歌舞団在籍経験がある金明淑さん(65、元金剛山歌劇団歌手、朝鮮の功勲俳優)は、「現役世代の頑張る姿に感激した。今回の公演は日頃から同胞たちのすぐそばで活動する歌舞団だからこそできたもの。『歌舞団に入りたい!』と思う子が多く出てくるよう、今日みたいな公演をもっとやってほしい」とエールを送った。
ともに成長する〝同志〟に

エンディングは会場が一体感に満ちていた
歌舞団が歩んできた60年の歴史を振り返り、祖国と同胞たちへの感謝と創団100年を目指して歌舞団を発展させていく決意を示すべく企画された今回の公演。「自分たちの力だけでは創団記念公演が難しい地方歌舞団もある。それならみんなで一緒にやってみようと始まった」。ツアー公演総責任者を務めた大阪歌舞団の趙正心団長(58、功勲俳優)はそう振り返る。
昨年4月に決起集会を開いて以降、それぞれの日々の活動のかたわら、ツアー公演の企画や演出に創作、宣伝や資金集めまで自分たちで担い、月1回以上の合同練習を積み重ねてきた。「(歌舞団は)歌って踊るだけじゃない、『オールマイティ』でないと」―京都歌舞団の鄭琴実さん(歌手兼ソヘグム奏者)は以前、本誌の取材にそう語っていたが、今回のツアー公演に臨む団員たちの姿はまさにその言葉を体現していた。
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以上が記事の抜粋です。全文は本誌2025年12月号をご覧ください。