朝鮮相撲の思い出
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7月号特集「コミュニティ、何を求める?」の取材では、各地で開催された総聯結成70周年記念行事を訪ね、コミュニティに寄せる同胞たちの思いを聞いた。
私は「兵庫アンニョンフェスティバル2025」を担当。約3000人が一堂に会す、大規模な行事だった。実行委が趣向を凝らした企画を用意する中、とりわけ児童・生徒たちが盛り上がりを見せていたのは、学校対抗の朝鮮相撲と綱引きだった。
ふと、10年前の記憶がフラッシュバックした。総聯結成60周年の時、私はまだ中級部生だった。その範囲が都内か関東圏内かは定かではないが、朝鮮学校の児童・生徒はみな北区の東京朝鮮中高級学校に集まった。当時、企画の中の一つとして行われたのが、朝鮮相撲の大会だった。
私は5人チームの一員として、朝練の時間にメンバーたちと練習を重ねた。練習を見てくれたのが柔道経験のある教員だったため、私たちは万全の準備をして大会に挑んだ。結果は優勝だった。
子どもながらに色濃く残っている総聯結成行事の記憶。それが当時の朝鮮相撲大会への出場経験と東京中高のグラウンドに集まった大勢の同胞たちの姿だった。
今回の行事も参加した子どもたちの記憶にそれぞれの形で残っていることだろう。さて、80周年の行事はどのような光景を見ることができるだろうか。(哲)