確かな目利き、上質肉を適正価格で／焼肉成（NARI）（東京都東久留米市）

by CHE.R · 公開済み 2023年10月14日 · 更新済み 2023年9月22日

（手前から時計回りに）厚切り生タン塩、ネギ塩ロース、成カルビ

西武池袋線の東久留米駅前で２０1９年８月にオープンした焼肉「成」。駅下車徒歩１分、駅前ロータリーに面したビルの２階という好立地で、電車の中からお店の看板が見える。
店主の金成幸さん（40）は国分寺の有名焼肉店・山水で17年間修業したのち、４年前に独立した。目指すは「地域の人びとに愛されるお店」。店内は明るく、カジュアルな雰囲気が漂う。「家族連れも気を使わずに過ごせる空間を」と、暗めの照明ではなく、誰でも気軽に入ってこられるよう照明を明るくしている。
お店のこだわりは、冷凍モノではなく、店主が修業時代の仕入れルートを活かして新鮮な生肉を仕入れて提供していること。たとえばお店イチオシの「厚切り生タン塩」。一度凍らせたものは旨みが逃げてしまいがちだが、「成」のタンは一口かみしめれば冷凍モノとの違いは歴然。しっかりとサシが入っており、牛タン特有のプリっとした食感と凝縮された旨味を味わえる。
もう一つは、特定の産地やブランドにこだわることなく、その時々にベストと思われる品質の和牛を仕入れていること。お肉のクオリティは、有名店で修業を積んだ店主の見極めに間違いなし。カルビやロース、ハラミやホルモンにいたるまでさまざまな部位を楽しめる。
ナムルやキムチ、スープ類などの手作りメニューもおすすめ。「おつまみまぜナムル」はさまざまな種類のナムルを混ぜ合わせてキムチを絡めた一品。お酒にもよく合う鉄板のサイドメニューで、リピート必至のおいしさだ。
新型コロナウイルス禍の中でも地道に営業を続けたことがアピールとなり、顧客がついた。オープンから４年。週末は予約なしでは入れないほどだとか。「おいしいものを適正な価格で食べてもらう」がコンセプト。「大きな駅前や繁華街でなくてもしっかりした商売が成り立つということ、『焼肉屋は大変な仕事だけど悪くないよ』ということを若い人たちに示したい。働くことに喜びを持てる仕事にしたい」。店主の志の高さも魅力だ。