切り捨てられた障害者と高齢者~vol.11 -在日外国人の無年金問題
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在日朝鮮人の障害者、高齢者の一部の人々は年金を受け取れず、苦しい生活を送っている。国籍に関係なく等しく支給されるはずの年金制度の不備によって生まれた無年金問題。日本政府による制度的差別の一つであるこの問題はいまだ解決を見ていない。
国籍条項の撤廃と新たな差別

京都の高齢者無年金訴訟の1審判決の日(07年2月23日)。京都地裁に向かう原告と支援者たち。前列右から3番目が原告団長の玄順任さん(朝鮮新報提供)
日本の年金制度は、勤労者を対象とする被用者年金と、それ以外を対象とする住民年金の2つに分類される。第2次大戦前は被用者年金しかなく、これには「国籍条項」があったので、外国人は対象外とされていた。戦後、連合軍占領下で国籍差別の禁止が定められたため、被用者年金の国籍条項は削除された。
59年、住民年金としての「国民年金法」が制定されるが、同法は被保険者資格を「日本国民」と規定した。ふたたび「国籍条項」が復活したのだ。当時、在日外国人の大多数を占めていた在日朝鮮人はこの条項によって長い間、社会保障制度から排除されてきた。