往復書簡2012~第4部―vol.3
広告
日本の「多文化共生」を問い直す ~在日外国人支援の現場から
金静寅 ●NPO法人同胞法律・生活センター事務局長
×
後藤美樹 ●NPO法人多文化共生リソースセンター東海副代表理事
支援の経験と知恵、差別の痛みを共有すること
金静寅
後藤美樹さんへ
同胞法律・生活センターは1997年12月にオープンし、まもなく15年を迎えます。日本では「国際交流」に代わり、「多文化共生」という言葉が使われ始めた時期です。80年代後半の好景気を背景に来日した大量の外国人の定住・永住化が進む中、かれらを「お客さん」や「異質な存在」としてではなく身近な「住民」として受け入れる重要性が地域社会から主張されたのです。…
支援者自身を検証し、政策提言や事業実施に具体化する
後藤美樹
金静寅さんへ
私は、阪神淡路大震災の時、外国人コミュニティの活躍を知ってから、「当事者をどのように支えるか」ということが、最大のテーマとなりました。2002年頃からは、全国でも珍しい、在日フィリピン人自身によって運営される「フィリピン人移住者センター」(FMC)に関わるようになりました。同時期の05年、総務省の「多文化共生推進プラン」のなかでも、外国人住民の社会参画と自立」がうたわれ、自治体が外国人のコミュニティリーダーや自助組織を支援することがすすめられています。…