3年目の連載「13歳からの朝鮮入門」
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2024年から始まった連載「13歳からの朝鮮入門」を担当している。入門と銘打ったので、自然、地理、政治、経済、外交、ことば、スポーツ、たべものなど、朝鮮という国を多面的に見せたいと思いながら、テーマを探ってきた。
日本のメディアが扱う朝鮮民主主義人民共和国情報は、まー目があてられないが、かの国にも人が暮らしていることを伝えたい。知ることが理解を深める一歩だと思う。
この連載は、日本から朝鮮に足を踏み入れ、現地の人たちと時間をともにした方々に執筆を頼んでいる。2024年から今まで扱ったジャンルを見ると、こんなことをやってきた。
・1948年の建国(全3回)
・食べもの(2回)
・外交(1回)
・アニメーション(2回)
・子どもの読みもの(1回)
・経済のお話(3回)
・平壌のことば(4回)
・スポーツ(1回)
・サッカー(2回)
・朝鮮のメディア(3回)
・自然・地理(3回)
連載のはじまりの回は、高校で長らく社会科の教員をしていた朴先生に、37年前の朝鮮にまつわる想い出を書いていただいた。幼いころに朝鮮に暮らす叔母さんに荷物を送るたびに手紙を書いていたこと、高校のときに朝鮮で初めて会ったイモが作ってくれたカレーライスの味が日本のそれと似ていたこと…。朝鮮から届いた日記帳も大切に持っていらして、その表紙も紹介した(2024年1月号)

平壌にことばの回は、2025年3月から6月まで4回連載した。朝鮮ではポップコーンを뻥뻥이と名付けられていることを初めて知った
日本のメディアではもっぱら政治的に扱われることが多い朝鮮。暮らしに身近な文化ネタがとっつきやすいと思い、アニメーションや子どもの本、国技のサッカー、国民食といわれるキムチや食卓の様子も書いていただいた。食べもの担当の朝鮮大学校のK先生は、お姉さんが日本から朝鮮に帰国しており、平壌市内の自宅に遊びに行ったとき、キムチに酸味が強かった感想も書いてくれた。ちょっとしたエピソードだが、人々の暮らしぶりを伝えられたことが嬉しかった。
今年1月から3回にかけて朝鮮の「自然・地理」を書いてくれた名古屋朝鮮初級学校のS校長先生は、朝鮮の名勝地・金剛山の海金剛で海に潜ったときの美しさ、海底にあったウニを採り食し、その美味に感動した驚きを伝えてくれた。青春時代の筆者が思い浮かぶようだった。
そしてS先生の原稿を読みながら、自分自身も1989年に白頭山や金剛山、妙香山を訪れたときは運よく秋晴れに恵まれ、朝鮮の自然を満喫したことを思い出した。なかでも、白頭山観光を目的に両江道に行ったとき、現地のジャガイモ料理を初めて食したこと、手が届きそうな距離に星がまたたく夜空があまりにも綺麗で息をのんだことも…。
なにより、朝鮮の空気を吸って、人々と交流できたことが、自分の「朝鮮観」に大きな影響を与えていることに気づかされ、2002年以来訪朝していない自分の中の「朝鮮」の風景は、止まったままだと考えるようになった。
朝鮮は在日朝鮮人の私たちにとっては、切っても切れない存在だ。数は少ないものの、ふるさとが朝鮮半島の北部という方もいる。そして日本から帰国した親族が暮らす場所である。
朝鮮には日本から多くの同胞が帰国したが、その親族と深い付き合いが続いているのは多くは2世までであって、朝鮮はどこか遠い存在になっているような気がする。同胞たちにも縁のある朝鮮を感じていただけるような誌面になれば嬉しい。
さて、4月号からは朝鮮の文学について、イオ創刊時からの常連筆者の方に書いていただく。天才詩人と呼ばれた趙基天(代表作は「白頭山」)が実はロシアで育ち、朝鮮語で詩を書くことに苦労していたなど、創作の逸話を聞くだけでワクワクしてきた。原稿が届くのが楽しみだ。
執筆陣は、専門的な視点で朝鮮を語ることができる「宝」のような方たち。識者たちが朝鮮の人たちと心を通わせた「思い出」が唯一無二のものなので、一番楽しみにしている。
引き続き、読者を朝鮮にいざなうジャンルを探している。エンタメ、ゲーム、若者文化、温泉…。読者の皆様のリクエストもお待ちしております。(瑛)








