「憂」
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「年の瀬」と言われるように、早く過ぎていく日々に年末を感じるいま、年内最後のブログ担当が回ってきた。
先日、会食の場で自身の今年を漢字一文字で表すとどうなるかという話題が上がった。その場では「病」などの漢字が出たが、私は思いのほか難しさに思案に暮れていると、川の早瀬のように、話題が次に移っていった…。
2025年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」は、「熊」。今年も京都の清水寺にて大きな和紙に筆で書いていた。今年は東北を中心にクマ被害が相次いだ。なるほど、社会を見ず公権力に忖度するような流行語大賞とは違い、今年の世の中をよく表していると感じた。
日本漢字能力検定協会が日本全国から募り、最も多かった1字だという。2位の「米」も、米国のトランプ大統領就任と日本のコメ不足から1位になっていてもおかしくなかったように思う。
さて、先日出せなかった私の漢字一文字は、「憂」だ。年末に明るい話がほしいところだが、どうも日本の政治と社会に対して、マイノリティである在日朝鮮人として憂いてやまない。日本で植民地主義の残滓がくっきり見え、世界で帝国主義的な暴力が繰り返された今年。来年はなんとかカウンターパンチを出して挽回できるようにしたい。
同胞社会の漢字一文字は「周」をあげたい。イオの発行元である朝鮮新報社が80周年を迎えた今年、各地の朝鮮学校や在日朝鮮人青年同盟、朝鮮歌舞団創団などさまざま場所で周年行事が行われた。来年はイオが30周年を迎える。記念すべき年に見合う変化を誌面で見せたい。来年もよろしくお願いします。(哲)








