トルパプロジェクト、全国ネット結成へ
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日本の政治と社会を憂いている。
高市新政権が誕生した。対米従属的な感がさらに増す一方、「台湾有事は日本の存立危機事態」と答弁して物議をかもすなど対外政策における危うさがすでに散見される。日本国内に向けて、自民党は、高市首相直属の組織として外国人政策本部を新設。「違法外国人ゼロ」を掲げている。また、先の参院選において排外主義的な主張を唱える政党が日本政治の一角に登った。
石破前首相は「戦後80年所感」において、「これまで戦後 50 年、60 年、70 年の節目に内閣総理大臣談話が発出されており、歴史認識に関する歴代内閣の立場については、私もこれを引き継いでいます」とした。どうして戦争を回避することができなかったのかに触れる一方で対戦国に関する言及が不十分で、とりわけアジアの国々に侵略し、植民地支配をしたことにまったく触れていない。
歴史と真摯に向き合わず、差別と排外主義がはびこる社会で真っ先に切り捨てられるのは社会的弱者だ。古参の在日外国人である朝鮮人として、今の状況を憂う。
そんな時世、在日朝鮮人と日本人の青年学生たちが、朝鮮と日本の歴史と向き合うための全国ネットを結成することになった。
主催はトルパプロジェクト。在日本朝鮮留学生同盟の在日朝鮮人学生と日本人の学生が主体となり運営している。

今年のパネル巡回展(東京、10月10日)にて
これまで、東京都内でデモ・パレードや集会を行ってきた同プロジェクトは、今年、日本と朝鮮をめぐる「歴史は決して消えない、消してはならない」という想いを込めパネルを制作。日本全国巡回展を行い、さらにその輪を広げた(パネル展の詳報は近日発売の本誌12月号に譲る)。

鳩山由紀夫元首相も10月10日のパネル巡回展(東京)に訪れた
結成集会は11月30日、KFC Hall(東京都墨田区)で催される。当日の記念シンポジウムでは、日本各地で真相調査・真相究明に取り組む人々も東京に駆けつけて登壇する。
先輩たちに学び、歴史継承を絶えさせまいと、新たなスタートをする若者たちに注目したい。(哲)
結成総会の詳細は以下の通り。
「日本と朝鮮の歴史に向き合い、植民地主義に反対する日朝青年学生全国ネットワークートルパ」結成集会
日時:11月 30 日(日)13 :30~16:30(13:00開場)
場所:KFC Hall(都営大江戸線 両国駅A1出口直結、JR総武線 両国駅徒歩約 7 分)
対象:ご職業、年代問わずどなたでも参加可能
参加費:1000 円(障害者、生活困窮者、高校生以下、無料)
内容:
・オープニング
・記念シンポジウム「日本各地における真相調査・真相究明の状況~現地からの報告」
・報告者
北海道 「笹の墓標強制労働博物館」(矢嶋宰 館長)
関東 「東京朝鮮人強制連行真相調査団」(金哲秀 朝鮮側事務局長)
京都 「浮島丸殉難者を追悼する会」(品田茂 会長)
山口 「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(鄭梨愛 関東支部)
・団体/参加者ブース別交流会
※ご賛同いただいた団体の方々のブースを設け、参加者と交流できる時間を設けます。
・パネル展示「日本と朝鮮、消えない歴史~Moving History Museum」
趣旨文
今年は日本の敗戦、そして朝鮮の「解放」から80年が経つ年です。 しかし現在においても日本と朝鮮をめぐる過去の歴史が清算されておらず、官民一体となった歴史歪曲、歴史否定がはびこり、日本の植民地主義、在日朝鮮人に対する民族差別は今なお続いております。
私たちは「戦後 80 年」を機に、上記のような同じ問題意識を持った団体や個人をつなぎ、強制連行・強制労働や日本軍「慰安婦」問題をはじめとした戦後補償問題、歴史保存運動及び過去清算要求運動により多くの地域で取り組み、情報交換や継続的な運動が出来るような枠組みを作るべく、関東大震災時の朝鮮人虐殺から 100年となる年に結成された「関東大震災 100 年-朝鮮人虐殺の歴史を記憶し、朝鮮人差別に反対する朝・日大学生一大行動-トルパプロジェクト」として行なってきた行動を基に、これを発展させた形で 2025 年 11 月30日(日)に全国的なネットワーク「日本と朝鮮の歴史に向き合い、植民地主義に反対する日朝青年学生全国ネットワーク-トルパ」の結成集会を行ないます。
結成集会では、日本各地における歴史保存運動や真相調査活動についての現状を知り、様々な活動を行なっている青年学生たちが知り合い、決起できる場を作ります。
みなさま、ぜひともご参加ください!










