李香代さん、今日控訴
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大阪地裁に向かう李香代さんと弁護団、支援者たち(205年10月24日、大阪市)
続くヘイト、“民族差別”認めて”
大阪市泉南市の添田詩織市議会議員がX上で李香代さんの民族的出自を攻撃した件で10月24日、大阪地裁は同議員の法律違反を認定し、賠償命令を下した。
詳細は、李香代さんが勝訴 添田市議の投稿は違法
https://www.io-web.net/2025/10/leehyandesan/
判決を受け、李香代さんは今日7日に控訴する。控訴に先立ち李さんの弁護団は11月4日に声明を発表し、地裁判決を「犬笛型ヘイトの構造を認めたうえで、投稿の削除をも命じて、政治家のSNS利用のあり方に警鐘を鳴らした点で、画期的な意義を持つ」と評価する一方、「司法が深刻な人種差別・民族差別に向き合えていない現状が示された」と断じた。
弁護団全文はこちら
https://x.gd/FTgkC
この裁判は、朝鮮半島に出自がある民族的マイノリティへの民族差別であり、女性差別をも含んだ複合差別の被害回復を目指したものだった。公人である議員がSNSを利用し差別と偏見を煽った責任は重い。だからこそ大阪地裁判決は名誉棄損、プライバシー侵害、肖像権侵害のいずれの権利侵害行為も認定し、「犬笛型ヘイト(※)」の構造を認めたうえで、投稿の削除も命じた。しかし、敗訴した添田議員からは謝罪、反省の弁はのべられず、それどころか同議員は敗訴後もYouTube動画やX上で従来の主張を続けている。添田議員のX上のフォロワーは約8万人。司法の判断はヘイトの歯止めになっていない。
「勝訴したとしても、このままなら一生後悔する」―。
李さんが控訴を決めるのに時間はかからなかった。「なぜ添田議員が私を攻撃したのか。判決にはその答えが出ていない。議員は私がアイデンティティを培った朝鮮学校や、同胞の生活を支えてきた組織に矛先を向け、この活動に関わる人がいる会社に公金が使われてはいけないと主張する。後ろ指を指されるようなことは何もしていないのに、なぜ―」。
弁護団は、添田議員の投稿によって李さんがフォロワーの攻撃の的になったこと自体が大きな被害であったにも関わらず、これが損害賠償額に反映されていないとして、控訴審では添田議員の投稿が持つ差別的意図を明らかにしたうえでその違法性が認められるべきだと主張。深刻な損害に見合った損害賠償を求めている。
また、公職にある政治家がその影響力を背景にして民族的マイノリティに対して行った権利侵害であることを司法がより明確に示す必要があるとして、差別のない社会実現のための法的基盤を強化することを目指すとしている。(文・張慧純)
※犬笛型ヘイト
犬にしか聞こえない周波数で鳴る笛と同じように、その意味が分かる人にだけ分かるように、工夫されたメッセージ。多くの場合は人種差別的なメッセージを指す。








