人権賞おめでとう! 川崎・トングラミ
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かわさき大交流祭で牛すじ煮込みを販売するトングラミのメンバーたち(2025年10月5日)
川崎の朝鮮学校に手作りの給食を作り続けてきた市民団体「トングラミ」が、第30回神奈川県弁護士会人権賞を受賞しました。おめでとうございます!
トングラミは、教育無償化制度の対象外となっている同校の児童、幼稚園児たちへの食育、そして保護者の経済的負担の軽減を目的にした給食支援を続けています。給食づくりは2021年12月に始まり、25年6月まで延べ63回、2840食を提供してきました。最初は月1回でしたが、23年9月からは月2回に増やしました。
何度か現場を取材させていただきました。
集合時間になると、20代から70代と幅広い年代の老若男女が集まります。
3年前に初めて取材したときのメニューは、トマトソースに浸かったハンバーグでした。盛り付けられた料理にはお手製のカクテギ。いつも彩り豊かな盛りつけに感動します。
給食の材料費は、ワンコイン(500円)会員を集めながら工面。年間約350人の市民たちが会員としてトングラミを支えています。

トングラミ代表の平賀萬里子さん(右)と趙弘子さん(左)
トングラミは地道に支援者を募っています。
朝鮮学校には、日本の公立学校のような給食はなく、毎日保護者が弁当を作るなど昼食を持たせなくてはなりません。月2度の日本市民の手作り給食に保護者たちがどれほど癒されているだろうか…。その気持ちがありがたく、そして神奈川県弁護士会がその活動に光をあててくれたことが嬉しいです。
代表の平賀さんは群馬県高崎市の出身。「八千代橋の下に住んでいる人がいて、のちにそれが朝鮮の人だということがわかって…。朝鮮人は住むところもないということを知り、衝撃を受けました」(本誌2022年6月号から)。
2003年には東京都が東京朝鮮第2初級学校を相手取り、土地明け渡しを求める裁判を起こしたことを知り、朝鮮学校と関わりはじめます。当時、亀戸の診療所で働いていた平賀さんは、同校のハングル講座に10年通い、1世のハルモニたちと友だちに。文部科学省前の金曜行動にも足を運んできました。
「同じ桜本で繋がりあってきたこの学校を、今こそ市民の力で守り、支えたい」―。
この思いを胸に、手作り給食を続けて3年。トングラミの人権賞受賞のニュースは地域に大きな喜びをもたらしました。
「アイデンティティへの葛藤を抱えながらも、不条理に抗おうとしている方々の生き方に魅力を感じています。朝鮮学校への敵視が続き、若い保護者の不安は募るばかり。市民として川崎の朝鮮学校を守りたい。2013年からは神奈川県や川崎市の補助金が止められたままです。こういう問題を解決していきたいですね」と平賀さんは話します。

鶴見朝鮮初級学校(当時)で採れたムンゲでナムルを作ったことも。子どもたちに1世の思い出を語る三浦知人さん
現在、川崎市では2001年に日本で初めて作った「川崎市子どもの権利に関する条例」をもとに、新しい行動計画を作るため、取り組みの見直しを行っています。市では、子どもの考えや意見を取り入れた行動計画を作るため、アイデアや意見を募集しています。締め切りは明日10月10日!
民族教育の権利も条例でしっかり保障してほしいですね。ぜひ川崎市に意見を寄せてください。
https://logoform.jp/form/FUQz/1235020
質問は全部で13個、5分ほどで解答できます。(瑛)
トングラミ
連絡先:川崎市川崎区桜本1-9-6 青丘社気付
Email:mariko0823k1218アットマークgmail.com