共通項が人をつなぐ
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昨日、札幌市内のホテルで「朝鮮大学校文学部・文学歴史学部大同窓会in北海道」が行われた。平日にもかかわらず、北海道在住者だけでなく日本各地から卒業生が駆けつけ、計29人で盛り上がった。文歴学部卒業生であり、また地元での開催とあって私も参加してきた。

下は今年の春に朝大を卒業した20代前半から上は文学部の大先輩である70代まで。互いに「はじめまして」の人も多く、前半は同年代で固まって歓談していたが、後半は自己紹介やクイズゲームを交え、会場全体で笑い声が絶えない賑やかな時間となった。
せっかく参加するのなら取材もしてイオで紹介したい。そう思って私はミラーレスカメラを持参。懐かしそうな表情、おどける姿、弾ける笑顔など、どこを切り取っても参加者たちが本当に楽しそうで、それを見ているとうれしく、たくさん写真を撮った。

今同窓会の発案者は胆振日高支部に居住する二人の同胞。ともに文学部21期卒業生で、日本各地に暮らす同級生たちともいまだに仲が良く、定期的にプチ同窓会を開いていた。
 ある日、「北海道出身・在住、もしくは縁のある文学部卒業生を集めて同窓会をやろう」という話に。そして、同じ文学部卒業生で、居住支部のモイムや北海道ハッキョの行事などで会うことが多かった李祐作さん(文学部36期)に白羽の矢が立つ。李さん曰く、「一緒に飲むたびに毎回言われていた」。年明けの新春講演会で「そろそろやろう」と再度プッシュされ、一念発起して実行委員会を結成したという。

左が李祐作さん。今回の同窓会で集めたチャリティ金は北海道ハッキョに寄付された
朝大文学部は2003年4月に歴史地理学部と統合、文学歴史学部として再スタートした。北海道には同学部を卒業して新卒で赴任してきた若いトンムたちも多い。どうせなら下の世代まで幅広く対象にしようと方向性を決め、道内を中心に動員を進めていった。加えて、北海道にゆかりがあったり、主催者・参加者から個人的に誘われる形で、埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫からも参加があった。ほか、現地参加はできなかったものの8人の卒業生がビデオレターを寄せた。

世代別にチーム分けをして行われたクイズゲームでは、文学部・文歴学部ならではの設問が登場し、予想以上に白熱。18時半から始まった同窓会はあっという間に終わりを迎え、ほとんどの参加者が2次会へ流れていった。

世代別クイズゲーム


 参加者たちに感想を聞くと、共通して「とにかく楽しかった」という声が挙がった。

埼玉出身同士、演劇部経験者など、共通項の中にさらなる共通項も
「若いトンムたちも来てくれて本当にうれしい」
「正直こんなに盛り上がるとは思わなかった。オルシンたちが楽しんでいるのを見ると、それだけでこちらまで楽しくなった」
「文学部・文歴学部の同窓会をこうして北海道で大々的にやったのは記憶している限り初めて」
「長く北海道にいても、意外と誰が文学部なのか分からない。後輩たちのことも知れて良かった」
「60~70代の、これまでお会いしたことのなかった方々とも『同じ学部』という共通項で年代を超えて知り合えた」
「今年3月に朝大を卒業し、地元ではない北海道に赴任したが、まさかここでまた朝大のソンセンニムたちと会えるとは思ってもみなかった」

比較的年齢層が上の方からも、また後輩たちからも、双方への親しみが語られたことが印象的だった。共通項があることの安心感、心強さ、いい意味での気安さ。それらを肌で感じるあたたかい時間だった。(理)









