サークルで「第二の青春」
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連載「社会人サークルへようこそ!」の取材で、2月中旬、東京・町田の西東京朝鮮第2幼初中級学校を拠点に行われている舞踊サークル「三美教」を取材した。
同サークルを知ったきっかけは、高校・大学時代の友人、先輩たちのSNS。サークルメンバーには東京中高高級部舞踊部として共に汗を流したメンバーも多く、親になった学友たちが当時と変わらぬ情熱で舞踊に取り組んでいる姿に感心した。学生時代の部活並みの情熱の中にも、肩の力を抜いてサークル活動を楽しむようすが感じられ、純粋に興味が湧いて、目下、発表会に向けてラストスパートをかける同サークルを訪ねた。
同校保護者、卒業生から成る三美教は、元は数人が同校の一室を借りて趣味で始めたもので、2021年に講師を迎えて三美教舞踊教室の成人クラスとしてスタートした。講師の文淑礼さん(元金剛山歌劇団舞踊家)が成人クラスの他に園児から中級部までの各クラスも受け持つ。
メンバーの大半が2歳〜初級部6年までの子どもを持つオンマたち。練習風景はSNSを通じて動画や写真で見てきたが、実際に見ると、想像以上のハードワークだった。1曲踊り終えた後は、地面に倒れ込む人も(笑)。講師の指導に「できます! やります!」「体力まだまだあります!」と呼応する運動部並みのスポ魂を間近で見ながら、日々忙しいはずのオンマたち、一体全体どこからこんなパワーがあふれてくるのだろうと思っていた。
メンバーに話を聞くと、「サークル活動が日々の子育て、家事の気晴らしにもなる」「一つの目標に向かう仲間として、ママ友とはまた違った絆がある。舞踊愛でつながっている」「体を動かしたいけど、子連れでヨガには行けない。ここは安心して子どもを連れてこられる」などの声が聞かれた。取材日はメンバーのうち2人がそれぞれ2歳児の息子を連れて来ていた。オンマが練習中には別のメンバーが子どもの面倒を見て、子どもたちも自由に動き回ったりして場に馴染んでいるようだった。ウリハッキョという開かれた場所、気の置けないオンマたち。安心して子どもを連れてこられる環境は、小さな子どもを持つオンマたちがサークルを楽しむ上で欠かせない要素だろう。
青春時代を共に過ごし、今は母になった友人、先輩たちが生き生きと踊る姿は率直に素敵だった。講師の文淑礼さんは、「忙しい日常から束の間抜け出して思う存分踊れば、生活により活力を与える。心も体も軽くなる」と話し、メンバーの一人は「第二の青春を送っている」と話していた。舞踊部といえば全身黒一色の練習着のイメージだが、三美教のメンバーはそれぞれ赤、青、緑、ピンク、グラデーションなどカラフルなチマ(スカート)を着ていて、それも自己表現の一つのようで印象的だった。
三美教舞踊教室の発表会は、今月24日に行われる予定だ。(淑)