無性に김밥（キムパプ）が食べたくなる時がある。
ごま油香るご飯、ぎゅっと巻かれた海苔、みちみちに詰められた野菜と食感、すべてがパーフェクトだ。
野菜の中でキュウリが一番苦手なのだが、なぜか김밥に入っているキュウリは食べられる。
さまざまなシーンで김밥が出てきたら確実にテンションが上がる。

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夏休暇で地元に帰省にした時、特にやることもなかったので、Netflixのある韓国ドラマをひたすら観ていた。
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌（原題：이상한 변호사 우영우）」だ。
天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を持つ主人公ウ・ヨンウは、ソウル大学のロースクールを首席で卒業し、司法試験にはほぼ満点で合格。
大手法律事務所に就職し、韓国初の自閉スペクトラム症の弁護士として、さまざまな事件を解決していくヒューマン法廷ドラマだ。

自閉症を持つウ・ヨンウはこだわりが強く、興味のあるものには過剰に反応し、規則性や法則性のあるものを好む。特に、大好きなクジラの話になると止まらない傾向がある（その姿がとても愛らしい）。
毎日の食事も、決まって一つのものしか食べない。それが「김밥」だ。
シングルファーザーの父が経営する김밥屋の김밥を朝食として毎日食べる。
親友が働く飲食店でも김밥、法律事務所の食事会でも海苔巻きしか食べない。
かのじょのルーティーンとして、どの回も必ず김밥が出てくるので、観る側は無性に食べたくなるのだ。

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昨日の夕方、思い出したかのように久しぶりに近所の店で김밥を買った。
私が住んでいる地域には有名な商店街がある。
新規オープンの店が出来たかと思うと、数年後には別の店になっている激戦区だ。
そんな商店街に、김밥やトッポッキ、タピオカティーなどを販売する小さな店が出来た！
今まではわざわざ電車に乗ってデパ地下で買っていたのが、徒歩圏内で手に入るのが嬉しい。
たまにコンビニでも売っているが、求めている味と何かが違う。
自分で作ればいいのでは！？と思ったこともあったが、正直、手間が掛かるし、何より〝人が作ったもの〟が食べたい。これが一番美味しい。

ごま油を塗ったこの海苔の照り。最高の一言！
餃子を食べるたびに「最初に思いついた人天才やな」と毎回思うのだが、김밥もそれに値する。
ウ・ヨンウと同じく、毎日でも食べたい〝発明的〟一品だ。（麗）