裴奉奇さんを記憶する動画公開/性差別撤廃部会の「4.23アクション」
広告
在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会が今年も「4.23アクション」を実施した。4.23アクションは、日本政府が否定し続けている日本軍性奴隷制問題について今いちど声を上げようと、同部会によって2015年から始められたもの。
沖縄で日本軍の性奴隷を強いられた裴奉奇さんが朝鮮新報を通じて自らの被害を世に告発した4月23日(1977年)をメモリアルデーとし、裴奉奇さんの存在と日本軍性奴隷制の被害を受けたすべての人びとを記憶していくため、毎年さまざまなアクションをしてきた。
今年のテーマは「裴奉奇さんを記憶する人びと~在日朝鮮人と沖縄の住民~」。裴奉奇さんと出会い生涯をともにした朝鮮人活動家・金賢玉さんと、沖縄戦における現地住民と朝鮮人の関係性を研究している洪玧伸さんを招いてのトークイベントが企画されていた。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によってイベントは一旦延期に。予定していた4月23日にはオンラインアクションとして、性差別撤廃部会のyoutubeページで2本の映像を公開した。
「沖縄の総聯活動家として裴奉奇さんに出会って」と題した映像は、【証言編】と【ゆかりの地訪問編】の2本立て。性差別撤廃部会のメンバーらが3月に沖縄を訪ねて金賢玉さんをインタビューしたものだ。文章だけでは伝わらない裴奉奇さんの話しぶり、人柄や思いが金さんの回想から浮かんでくる。
自身の苦しい体験を「運勢(運命)さ運勢さ」と言っていた裴奉奇さんが、金さんら夫婦との交流の中で朝鮮民族の歴史について知るなどし、少しずつ尊厳を回復していったことも語られる。また、普段のお洒落な裴奉奇さんのようすなど、もっといろいろなエピソードを聞きたいと思った。
映像はいずれも約12分。5月6日までの期間限定公開だ。(理)