朴槿恵政権批判とミソジニーの問題
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韓国の政治情勢が激動している。「朴槿恵-崔順実ゲート」に端を発した朴槿恵政権に対する民衆の怒りは頂点に達している。大統領の即時退陣を求める大規模デモが毎週末、ソウルを中心に各地で開かれ、12月9日にはついに朴大統領に対する弾劾訴追案が議会で可決された。
現在の韓国の政治情勢については、「イオ」1月号にも識者による論考が掲載される。
朴槿恵政権に対する批判や非難が韓国社会のあらゆる場面であふれ出す一方、朴大統領が独身女性であることを揶揄したり、女性蔑視的な表現を使ったりといったミソジニー(女性嫌悪、女性蔑視)も問題となっている。
このようなミソジニックな言説は、朴政権批判という文脈に乗ってしばしば正当化されたり見過ごされる。もちろん、ミソジニーは男性の専売特許ではなく、男性中心的および家父長主義的な価値観を内面化した女性によっても行われる。
ひるがえって、私の周辺ではどうだろう。SNSやその他のメディア上で、そしてひどい場合には公衆の面前においても、正当な政治的批判と批判対象である朴大統領の女性性に対する揶揄や誹謗中傷を区別できずにミソジニックな言葉を使う人々が少なくない。
これは昨日今日提起されたものではなく、非常に根深い問題であるので、またあらためて書いてみたいと思う。(相)