大阪「補助金」裁判第13回口頭弁論
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大阪府と大阪市が府、市内の朝鮮学校に対する補助金を不支給とした処分の取消と交付の義務づけを求めた裁判の第13回口頭弁論が2月25日、大阪地方裁判所で行われた。
先週末から関西地方に出張中の私も傍聴に足を運んだ。
裁判が開かれた202号法廷は府下朝鮮学校児童・生徒の保護者や学園関係者、地域同胞、日本人支援者ら傍聴に駆けつけた人々で今回も満員となった。
原告側は2月19日付で第9準備書面、25日付で第10準備書面をそれぞれ提出。内容は、大阪朝鮮学園理事長や教員、保護者、在校生、卒業生、日本人支援者などの陳述書のまとめ、国際人権法の観点から見た補助金不交付の違法性、といったもの。
法廷では原告側代理人の仲尾育哉弁護士が、提出した書面に関連して意見陳述を行った。仲尾弁護士は、本件補助金不交付処分は恣意的なものであり、民族教育および人格形成、在日朝鮮人のコミュニティの場である朝鮮学校の存在意義を否定し、子どもたちの教育への権利を侵害するものであるとのべた。これまで原告側は主に国内法の観点から補助金不交付が違法であると主張してきたが、今回は国際人権法の観点からも不交付の違法性を主張した。
また、在校生や保護者、支援者ら朝鮮学校に関わる当事者たちの声も紹介された。
そして最後に丹羽雅雄弁護団長から、橋下徹大阪市長(前府知事)を証人として申請したい旨の発言があった。
口頭弁論終了後、大阪弁護士会館前で報告集会が行われ、丹羽弁護団長のほか仲尾育哉弁護士、普門大輔弁護士が今回の口頭弁論および提出した準備書面について説明を行った。また、大阪福島朝鮮初級学校の児童・生徒たちから弁護団へ贈られた寄せ書き色紙も紹介された。
2年以上にわたって続く補助金裁判はいよいよヤマ場に入る。弁護団は今後、1945年から現在にいたるまでの朝鮮学校の歴史と日本政府による排除、差別、それに対するたたかいを整理した鑑定意見書を提出する予定。陳述書を書いた人々を中心に人証も申請する。丹羽弁護団長は、裁判官の朝鮮学校訪問と前述の橋下前知事の証人尋問をぜひ実現させたいとの意気込みを語っていた。
次回期日は5月14日。4月24日には「無償化」裁判の第11回口頭弁論が開かれる。
今回の補助金裁判前日の24日、毎週火曜日に大阪府庁前で行われている「火曜行動」の現場にも足を運んでみた。137回目となる今回も、朝鮮学校への「高校無償化」適用と補助金支給の再開をアピールする大勢の人々の姿があった。(相)