大阪朝高ラグビー部も出場した全国高校ラグビー大会も、昨日決勝が行われ、大阪第１地区代表の東海大仰星が神奈川代表の桐蔭を19対14で破り優勝しました。大阪代表の優勝は２年連続となります。このブログでお伝えしたとおり、大阪朝高はベスト４を賭けた戦いで東福岡に惜敗しました。ベスト４には結局、Ａシードの３校と東福岡という、本命の高校が残りました。

　大会前の12月26日の毎日新聞は、「５校軸に混戦」というタイトルで大会を占う記事を載せました（写真）。その５校の中にＡシードの３校とともに「大阪朝鮮」の名前も入っています（もう１校は兵庫代表の報徳が入っていますが、どう見ても東福岡が上でしょう）。今年の大阪朝高は、前評判も高かったし、それにふさわしいラグビーを見せてくれたと思います。優勝するチームとの差は、もう少しの経験の蓄積なのかもしれません。
　他府県も含め広い地域から優秀な選手が集まってくる日本の強豪校とは違い、大阪朝高は兵庫県などから少し来ていますがほとんどが地元の朝鮮の子どもたちが集まっています。それを考えると、大阪朝高ラグビー部の強さは「奇跡」と言ってもよいかと思います。

　さて、全国大会は毎年、東大阪市にある近鉄花園ラグビー場で行われます。「花園」と呼ばれ親しまれています。第１グラウンドは写真のように素晴らしい競技場です。私は花園に30回ほど行きましたが、すべて大阪朝高の試合のため。もし大阪朝高ラグビー部が弱ければ、一度も足を運ぶことはなかったかもしれません。競技場と呼ばれる場所としては最も多く足を運んでいる場所で、いつのまにか愛着も湧いてくるようになりました。準々決勝の日は快晴で、地元大阪の３校はじめ近畿勢が５校も出場したこともあり、観客席は満員でした。

　近鉄花園ラグビー場と言えば、うどんが美味しいのが有名で、私も何度か食べました。関西のうどんのレベルが全体に高いので特別美味しいというわけではありませんが、競技場で食べるというシチュエーションが美味しさを１段くらいあげてくれています。
　もう一つの名物が「ラグビーまん」。2005年から販売されているようですが、これまであまり注目してきませんでした。ラグビーボールの形をしているのですが、まだ食べたことがありません。ひとつ300円とちょっと高い。

　さて、今大会、大阪朝高が東京第1地区代表の目黒学院を破りました（36対7）。目黒学院が地方予選決勝で東京朝高を破っていた(0対78）ので注目の一戦となり、マスコミも監督や選手にそのことと関連する質問をよくしていました（私もしました）。
　大阪朝高が勝ったときに、「リベンジを果たした」という言葉がネット上に何度か出たのですが、ちょっと違うと思います。もちろん、金廉主将も言っていたように、「東京朝高の選手たちの分まで戦う」という気持ちを選手たちが持っていたのは確かです。
　しかし、大阪朝高が勝ったからといってリベンジしたことにはなりません。リベンジは負けた東京朝高自身にしかできない。東京朝高が１ランクも２ランクも強くなって、目黒学院を破って初めてリベンジを果たしたことになるのだと思います。

　次の大会、欲を言えば、大阪朝高とともに東京朝高も一緒に出場しほしい。その時はぜひ、300円を払ってラグビーまんを食べたいと思います。（ｋ）