「少女時代」というグループがあるが、最初は歌の名前だと思っていた。韓国のグループだけでなく日本のグループも、近頃はグループ名なのか曲名なのかよくわからないものが多い。昔は、タイガースとかピンキーとキラーズとかダークダックスとか、わかりやすかった。
　区別がつかないというのは、おっさんになったということだが、その一番最初が、「Every Little Thing」ではなかったか。「なんで曲の名前がグループ名なんだろう？」と思ったものだ。そういえば「ミスター・ムーンライト」という曲があるのだから、「Mr.Children」が曲名でもぜんぜんおかしくない。

　そういうわけで、今日はビートルズのことを、思ったままにだらだらと書こうと思う。

　中学から高校と、一時期、ビートルズばかり聴いていた時期があった。すでにビートルズは解散した後だったので、本当のビートルズ世代は私より10歳以上年上となる。しかし、やはり、ビートルズは魅力的で、はまったわけである。だからといって、私はビートルズマニアでも何でもなく、どこにでもいる一般的なビートルズファンの一人だと言えよう。
　当時は、Ｊポップなんかは存在せず、日本の歌といえば演歌と歌謡曲。若者はフォークソングか欧米の音楽を聴くのが普通だった。ビートルズは当たり前にみんなが聴いていたと思う。いまの日本の若者が日本の歌手やグループの歌を好んで聞く姿を見て、われわれの世代はちょっと驚いたりする。

　考えてみると、ビートルズがレコードデビューしたのが1962年10月、解散したのが1970年４月で、実質的に７年半しか活動していない。それなのに、前期、中期、後期と活動が区分されて語られる。実際に時期ごとに音楽の内容も４人の姿かたちも、本当に変化している。その変化は、モノクロからカラーへ、録音技術の革新など、時代の変化と重なって鮮明だ。とにかく、７年半の間にめまぐるしく変わり続け、世界に驚くほどの影響を与え、時代を駆け抜けていったのがビートルズだった。サザンオールスターズは結成から30年以上経つそうだが、デビュー当時も今も、歳をとっただけで、ほとんど変化がないのではないか？（あくまでも個人的な感想です）

　ビートルズは、ジョン・レノンとポール・マッカートニーという二人の天才によって成り立っていたといえる。私の感覚で言えば、ビートルズの中で誰が好き？という質問の答えは、究極的にはジョンかポールのどちらかになるはずで、特に「リンゴが一番好き」というのはありえない。だから、二人の方向性が違ってきた段階で、解散は避けられないことであった。サザンオールスターズに「方向性の違い」なんてないのではないか？

　そういえば、ジョン・レノンが死んで、すでに30年以上が経った。いま生きていれば、この世の中を見て、どんな曲を作っていただろうかと思ったりする。

　あんなに夢中に聴いていたビートルズだったが、大学に入ると、朝鮮音楽だけを聴くという生活になったため、長い間、ピタリと聴かなくなってしまった。

　大阪出張中に４人でツイッターのオフ会をやったときに、３人はビートルズが解散した後、ジョン・レノンが死んだ後に生まれた人たちであったにもかかわらず、ビートルズファンだと言っていた。特にひとりの男性は、イギリスに行ったとき、わざわざ日程と足を伸ばしてリバプールまで行くほどのビートルズマニアであった。世代を超えて、日本に住む朝鮮人の心までひきつけるのだから、やはりビートルズには、それだけの魅力があるのだろう。

　どこで聞いたか忘れたが、ビートルズマニアに絶対にしてはいけない質問があるそうだ。それは、「ビートルズのなかで一番好きな曲は何ですか？」という質問だという。マニアにとってみれば、「１曲に絞れるはずがない、バカな質問をするな」ということなのだろう。

　というわけで、４人でのオフ会の時も、そのビートルズマニアの人に「ビートルズのなかで一番好きな曲は何ですか？」と訊きたい訊きたいと思いつつ、グッと我慢して質問しなかったのであった。いま振り返ると、「一番好きなアルバムは何ですか？」くらいは訊いといたらよかった。読者の皆さんは、ビートルズのなかでどのアルバムが一番好きでしょうか？（ｋ）