微力だけれど、無力ではない~600回目の金曜行動に参加して
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文部科学省前で続く金曜行動が600回を迎えた(2025年12月12日)ことを受け、この節目を刻む記念行動が12月19日(金)15時半から、東京・虎ノ門駅の文部科学省前で行われ約1000人の同胞や日本市民たちが声をあげました。※主催は全国朝鮮学校連絡会、日朝全国ネット、朝鮮学園を支援する全国ネット
2010年4月に始まった高校無償化制度ですが、外国人学校の中で唯一、朝鮮高校が就学支援金の対象から外され15年の月日が経ち、日本政府による官製差別は続くどころか、ますますひどくなろうとしています。
無償化差別を直接に受けた朝鮮大学生が2013年5月31日から始めた金曜行動は、雨の日も、冷たい風が頬を打つ日も続いてきました。

この日の金曜行動では、徳永エリ・参議院議員、ラサール石井・参議院議員(写真)をはじめとする国会議員や日本市民たちが、朝鮮高校が外されたままの制度の現状を「どうにかしたい」との決意を伝えていました。
現役の朝鮮高校生、朝鮮大学校生、朝鮮学校を卒業して父親になった人たちの訴えが続くなか、権貞恩・東京中高オモニ会会長の言葉が印象に強く残りました。

権貞恩・東京中高オモニ会会長
…
あるオモニがこう言いました。
私たちは微力だが、無力ではない。
今日、私たちは文部科学省に要請に行きました。
生徒たちが一生懸命に(無償化制度への適用を)要請しても、文科省の担当者は事務的にしか答えません。
この態度に涙を流し、再び担当者に要請を重ねても、かれらは事務的な対応しかできないのです。
立場的にこう言うしかないのでしょう、しかし生徒たちの訴えは、担当者の心に必ず響いたはずです。
私たちは、日本政府に直接訴えること以外にも、各自ができることがあります。
それはいろんな場所で、私たちへの理解を広めることです。
職場、子どもたちが通う保育園、 町内会、習いごとの場…
私たちがお互いに仲良く過ごせたら、いつの日か理解してもらえる日が来るはずです。
その努力は決して無駄なことではない。
私たちは、微力だが、無力ではない。
大きな活動も大切ですが、各々が頑張ることも重要です。
あきらめずに働きかけを続けていきましょう。
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別れ際、貞恩会長からカイロをいただきました。
いつも東京都の郊外から都心に出てきて、子どもたちや保護者たちのために訴え続けている姿を見てきました。

森本孝子さん
金曜行動は、明日のために、子どもたちのために何ができるのかを教えてくれる場。
東京の無償化裁判を支えてきた森本孝子さんが、来年3月に東京朝鮮第1初中級学校(荒川区)を支える市民の会ができる、これで都内のすべての朝鮮学校に日本市民による「支える会」が整えられることになると、とびっきりの報告をしてくれました。
帰宅すると、金曜行動に参加した我が家の朝高生が、「あんなにたくさんの人たちが集まってくれたのはすごいね」と話していました。その言葉を聞いて、いくら絶望的な状況であっても、子どもたちにこの社会への希望を絶対に失わせてはいけないという感情がわいてきました。
私たちの民族教育をあきらめてはいけない。
差別に勝つ方法を考え、行動しつづける―。
私自身、金曜行動に参加し、新たな思いで今日の日を迎えることができました。
600回を紡いできたすべての方々に感謝します。(瑛)









