OG・OBの「助言」
広告

祝賀宴には日本各地の朝鮮歌舞団も出演しステージを彩ってくれた。同胞や組織がつながり合うネットワークのすばらしさを感じさせる特別共演となった。
先月にあった朝鮮新報創刊80周年を記念する祝賀宴には、新報をつくりあげるために奔走したかつての記者たちが多数参加された。
OG・OBたちの思いに触れることが中々ないなか、イオ12月号で同行事に参加したかれかのじょたちの思いを紹介する企画を準備していたことから、当日は数名のOG・OBたちに取材した。その際に印象に残った言葉がある。
「情報の少ない時代だったから、足で探すしかなかった。ネタを探すのも、取材そのものも、各地の同胞たちの思いを丁寧に聞くことが記者の基本だった」
「同胞たちが口にはしないけれど心の中に抱えていることを掘り起こす、そうした姿勢が大切だと思う」
これらは民族教育に関する取材を数多く手がけてきた盧民愛さん(77)の言葉だ。
いまは、盧さんのいうような情報の少ない時代ではないし、扱うネタだって足で探すしかない環境にあるわけでもない。それでも筆者自身、さまざまな現場に赴いて丁寧に相手の思いを聴くことは、当時と変わらない基本だと思っている。が、忙しない日々を送りながら、そうした基本をどれだけ体現できているのか・・・。盧さんの言葉は、自身の姿勢を省みる貴重な「助言」だった。
来年2026年は、月刊イオ創刊から30周年を迎える年。新報の80年、イオの30年を現役記者として迎えられることは光栄でもありながら、一方でその歴史を思うと今後どう媒体を発展させていくべきか、重みも感じている。
誹謗中傷や排外思想を助長するような言論が増える今、同胞たちに寄り添い、かれらが悩んだ時に助けや指針となるようなメディアを目指したいと改めて思う。(賢)
※こちらのリンクから関連記事の一部をお読みいただけます。








