vol.7 学園のアイドル、2歳児
広告
学園のアイドル、2歳児(南武朝鮮初級学校付属幼稚班 皇甫繭香先生)
4月、新しい出会いの春が始まった。
子どもも大人もドキドキ、ワクワク。1年で一番賑やかな時だ。
オンマやアッパと離れ、初めての集団生活に挑む2歳児たち。バスに乗せられ大泣きする子、部屋を飛び出し逃亡する子…みんな必死である。
2歳児クラスを担当して十数年、学んだことは、「始めが肝心」!
泣いている子は気が済むまで抱っこして、逃げようとする子をありったけのオモチャで誘惑。在園児たちと遊ぶ時間をたくさん設け、とにかく楽しく過ごす。「幼稚園は安心して過ごせる場所、とても楽しい空間」と思えるように力を注ぐ。
ここで活躍するのが先輩の園児たち。園に慣れてきた2歳児たちに、さまざまな遊びを教えてくれる。追いかけっこ、かくれんぼ、泥んこ遊び、部屋いっぱいプラレールを使っての電車ごっこに、室内用乗り物で廊下を爆走等々…見ていてハラハラすることもあるけど、とても楽しそう。すっかり幼稚園に魅了された2歳児たちは、降園時間になっても帰ろうとしない。
こんな時は初級部の児童たちの出番! 私の鶴の一声で、グラウンドに逃げる子を捕まえ、砂遊びに夢中な子の手を洗ってあげ、裸足の子には靴下と靴をはかせ、バスに乗せてくれる。まるで本当の弟、妹のように、いや、それ以上に優しく、丁寧に面倒を見、可愛いがってくれる。さすが私の教え子たち!
ある日、いつものように2歳児クラスに遊びに来た年長さんが、「ソンセンニム、この子たち、おうちに連れて行きた~い!」と言っていた。みんな、2歳児クラスが大好きだ。
こうして今年も2歳児たちは、ウリハッキョのアイドルとして1年間を過ごすのである。来年には、その座を新しい2歳児に明け渡すことになるけれど。