つき動かすのは危機感、勝つ日を信じて
広告
無償化排除6年目の冬、文科省前の金曜行動、大阪府庁前の火曜行動を歩く

東京無償化裁判第7回口頭弁論があった2015年9月18日の「金曜行動」には、日本各地の朝高オモニ会会長ら450人あまりが参加し、声を大きく集めた(写真:朝鮮新報提供)
文科省職員への言葉
東京・虎ノ門の文部科学省前で行われる「金曜行動」は、2013年5月からほぼ毎週続けられてきた。時間は16時からの1時間。「無償化差別を放置し、朝鮮学校を無視し、差別する文科省に声をぶつけよう」と朝大のあるゼミの学生が出したアイデアから始まった。2年半続いてきたことで、朝鮮高校生、保護者、日本市民たちが合流し、時には地方や韓国から人も訪れる出会いと連帯の場になっている。
12月4日の金曜行動。冬は日が落ちるのも早い。終盤は朝大生や朝高生たちが文科省の職員たちに向けて叫び続ける言葉が寒さとともに鋭く、時に痛々しく響く。この日もある男子学生の言葉に胸を突かれた。
母子家庭に育った3人きょうだいの末っ子。「母からは、高校にあがるとき、高校無償化から除外されたから朝鮮学校には行かないでと言われた。母子家庭で貧しいのも知っていたので、母の気持ちは痛いほどわかっていた。でも母は朝鮮学校に通わせてくれた。…働きすぎて足を痛めた母は今なお働いている。高校無償化が適用されていれば、母はもっと苦しまずに済んだ…」。高校卒業後の進路も親の経済的負担の間で揺れた。高校で出会った教員のようになりたいと、朝大教育学部に進学を決めたのはきょうだいの支援もあったからだ。

降りしきる雨の中、街頭に立ち続ける火曜日行動の参加者たち(2015年11月17日、大阪府庁前)