09.岐阜
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田舎ならではの小さな実践を積み重ねて
岐阜市に位置する岐阜朝鮮初中級学校は夏休み期間だが、校舎からは子どもたちの賑やかな声が聞こえてくる。保護者が働いている家庭が多いため、学校を開放しているのだ。
「人数が少ないから、保護者たちが要望することにはあの手この手で応えようと必死だね。ハッキョの就学対象児童数自体が少ない中で、今ある現状を維持していかないと。それでも本音を言うと、このまま続けていけるか不安」。岐阜初中の朴九令校長(55)はそう話す。生徒数の減少、その最たる原因は卒業生が県内にいないことだという。「働く場所がないから、みんな名古屋などの都市に移り住んでしまう。地元に帰ってくる人はほとんどいない。コミュニティが縮小するのは当たり前」。だからこそ、現在は児童・生徒一人ひとりとの関係、保護者との信頼構築を大切にしながら、目の前の要望、課題を地道にこなしている。