Vol.5 初級部5年~「自主性」の高まりと確かな「人間力
広告
金創一 ●26、西神戸朝鮮初級学校教員
思春期の始まり
初級部5年生といえば、高学年の学校生活にも慣れ、自分なりの考えや意思、いわゆる「自主性」が高まっていく時期だ。児童たちはクラスや部活動、そして家庭など集団の中での自分の役割や立場をしっかりと意識しはじめる。4年生の頃までは教員や親の言いつけをしっかり守り、ただ言われるままに行動をするという傾向が見られるが、5年生では、「なぜするのか?」「何のためにするのか?」といった目的意識を持ちながら、大人の言葉に耳を傾けるようになる。意外なことに、大人のひそひそ話まで聞いていたりする。自ら判断し、行動する傾向が顕著に現れるのだ。またこの時期から、児童は自己と他者を比較しはじめる。自分に自信が持てなかったり、友だちのことが気になったりと悩みの種が増えていく児童も多い。