中国アニメに見る「共生」
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イオ2月号のテーマは「共生を考える」。
最近、共生について考えさせられる映画作品と出会ったので紹介したい。
中国アニメの『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』だ。
この作品は中国人クリエイターMTJJのWEBアニメ『羅小黒戦記』を原作とするアクションファンタジーアニメ。
2019年に劇場版シリーズ1作目である『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』の字幕版が日本で公開された。元々は在日中国人向けに公開するのが目的であったが、クオリティの高さから人気が広がり、2020年には吹き替え版も公開された。
そしてシリーズ2作目である『羅小黒戦記 ぼくらが望む未来』は2025年11月7日に劇場公開され、今も一部劇場で公開されている。
シリーズ1作目の公開時は鑑賞のタイミングを逃してしまっていたが去年その2作目が公開されるということで、これは観に行かねば!とNetflixで配信されている1作目を予習として鑑賞し、その後劇場にも足を運んだ。
【あらすじ】
人間による森林開発で住処を追われた黒猫の妖精・シャオヘイが、孤独な旅の途中で、最強の執行人ムゲンと出会い、葛藤しながらも、人間と妖精が共生する未来を見出していく成長冒険ファンタジー。
近年、中国のエンタメ市場はアニメやゲームにも力を入れており、規模を拡大していっている。
日本や米国のアニメ文化の中で育ってきた自分だが、中国アニメはそのどれにも属さない独自性、ジブリ作品へのリスペクトも感じる背景美術やキャラクターデザイン、アニメーション…そのどれもクオリティが高い。
特徴的かつ一番感動したのはカメラワーク。
それが遺憾なく発揮されているのがアクションシーンだ。
このアニメには戦闘シーンがたくさん出てくるのだが、描写の緻密さと迫力に圧倒された。
作品の共通したテーマは「共生」(シリーズ1作目は環境破壊もテーマとなっている)。
住処を追われた妖精と人間とのかかわりについて描いており、妖精たちは、妖精であることを人間に知られてはならないという掟さえ守れば、人間社会で幸せに暮らせるという。
あるキャラクターが「なぜコソコソ生きなければならないのか」という趣旨の発言をする。大衆に紛れてコソコソ生きていくことは、果たして共生といえるのだろうか。
様々な思惑が絡まり、のちに妖精対人間の争いに発展し「争いはなぜ起きるのか」という問いかけを観客に投げかける。自身の価値観を改めて見つめ直す作品だった。
また、シリアスな場面もある反面、主人公のシャオヘイが修行を積みながら、心身ともに成長していく過程はさながら少年漫画のよう。
孤独だったシャオヘイが次第に自身の居場所を見出していく姿にとても心を揺さぶられた。あと基本的にコメディ色強めで、コントでよくある「緊張と緩和」が笑いを誘う。
興味のある方は、U-NEXTやNetflixで配信されているシリーズ1作目をぜひ視聴してほしい。
ちなみに、映画の来場特典が公開10週目まで毎週変わっていたのだが、ラインナップがとても豪華で、力の入れようにびっくりした。

特典欲しさに二回劇場に足を運びました
別の週には缶バッジやラバーチャームなどの特典もあった。(現在は特典の配布は終了しています)
「共生」をテーマにしたこの作品が示す答えはあるのか、続編の公開も期待したい。(仙)








