大型書店に行こう―イオ、在日朝鮮人に関係のある本たち
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ジュンク堂書店池袋店
いま日本では書店(本屋)がどんどん閉店しているという。活字離れとネット社会への移行が原因だと言われている。
さびしいことだ。
社会に出た後、仕事の関係もあり書店にはよく足を運んだ。
東京都文京区の白山に事務所があったころは、地下鉄三田線ですぐだということもあり、書店街の神保町にもたまに行っていた。
現在住んでいる最寄り駅の近くにも書店はあるが小さな店なので本の種類が少ない。取り扱っているものはコミック、雑誌やベストセラーになった本などで分野も偏っている。
ということもあり、繁華街の大きな書店にたまに通っている。よく行くのは池袋だ。池袋には西武線と東武線が通っており西武デパート、東武デパートがある。そしてデパートの中に大きな書店が店を構えている。
そこも利用しているが、一番気に入っているのがジュンク堂書店池袋店だ。地下1階から地上9階までのビルひとつが全部書店となっている。
先月も2度、ジュンク堂を利用した。
今日はジュンク堂店内で見つけた月刊イオ、在日朝鮮人に関係のある書籍を紹介したい。

真ん中あたりに『新版 日本の中の外国人学校』がある
まず月刊イオ編集部編著の『新版 日本の中の外国人学校』。イオの誌面で連載で紹介した日本にある外国人学校のルポをまとめたもの。朝鮮学校も含め18の学校を紹介している。4階の教育問題のコーナーに置かれていた。新版の前の最初の『日本の中の外国人学校』は2006年11月に発行された。
同じ棚には、『コッソンイ 朝鮮学校児童・生徒たちの詩と作文集』『高校無償化問題が問いかけるもの 朝鮮学校物語2』の書籍もあった。
5階に上がると時事韓国・朝鮮の棚に「在日コリアン」というコーナーがあった。

在日コリアンのコーナー
そこに置かれていたのが中村一成さんの『今日に抗う 過ぎ去らぬ人々』。月刊イオに中村さんが2018年1月号から6年かけて長期連載したエッセイ「在日朝鮮人を見つめて」と「今、この時代を生きる」を一冊にまとめたものだ。装丁を手掛けたのが(愛)さん。

中村一成さんの本が3冊並ぶ
中村一成さんの本が同じ棚にもう2冊あった。『ルポ 思想としての朝鮮籍』と『ウトロ ここで生き、ここで死ぬ』。

柳美里さんの『国家への道順』
3階の現代文学の棚には柳美里さんの『国家への道順』があった。柳さんは月刊イオに「ポドゥナムの里から」のタイトルで2010年1月号から2017年1月号までエッセイを長期連載していた。この本は連載をまとめたものだ。病気で倒れていた期間を除いてずっと私が連載を担当してきたので思い出深い本だ。
朝鮮問題専門書店以外で、これほど多くの在日朝鮮人関連の本を置いているところは珍しいのではないか。
ジュンク堂池袋店ではあらゆる分野の書籍が本当にたくさん販売されている。
大型書店にたまに足を運んでみたらどうだろうか。(k)
※ここで名前を挙げた書籍の基本的な情報を紹介する。
〇『新版 日本の中の外国人学校』
月刊イオ編集部編著/明石書店/2022年2月出版/1760円
〇『コッソンイ 朝鮮学校児童・生徒たちの詩と作文集』
『コッソンイ』日本語版編集委員会編著/花伝社/2024年10月出版/1870円
〇『高校無償化問題が問いかけるもの 朝鮮学校物語2』
朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会記録編集委員会編著/花伝社/2023年3月出版/1320円
〇『今日に抗う 過ぎ去らぬ人々』
中村一成著/三一書房/2024年9月出版/2750円
〇『ルポ 思想としての朝鮮籍』
中村一成著/岩波書店/2017年1月出版/2310円
〇『ウトロ ここで生き、ここで死ぬ』
中村一成著/三一書房/2022年5月出版/3080円
〇『国家への道順』
柳美里著/河出書房新社/2017年10月出版/1485円