後任は誰に
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9月7日の総理大臣官邸での記者会見で石破茂首相がみずから退陣すると表明したのをうけて石破政権は1年で終わりとなった。次の総裁に誰がなるのか。現首相の後任となる自民党総裁を決めるための選挙が10月4日実施で決まった。告示は9月22日だ。
石破首相は次の総裁選は出馬しない意向で、総裁選に立候補する議員たちに注目が集まる。茂木敏充自民党前幹事長が出馬の意向を表明。林芳正内閣官房長官も立候補を意志を固めている。そのほか、自民党所属の高市早苗氏、同じく小林鷹之氏、現在、農林水産大臣を務めている小泉進次郎も立候補を表明した。
総裁選立候補のためには党所属の国会議員20人の推薦が必須で、どれだけ迅速に推薦人を集められるか焦点となるだろう。
また総裁選には投票方式が2種類あり、1つが「フルスペック型」、もう1つが「簡易型」となっている。自民党は9月9日に総務会を開き、今回の総裁選は「フルスペック型」で行うことが決まった。同方式は選挙期間が12日以上、国会議員票295票、党員票295票の合計590票で行われる。簡易型方式との最大の差は党員・党友票があること。簡易型で行う場合、党員票はなく、地方票が入る。
なぜフルスペック方式なのか。自民党は直近の選挙で敗北が続き、党内での一体感が損なわれているのだろう。そんな中で党員と党友たちが投票できる同方式を通じて党内の一体感を高め、党員が真に望む人を次の総裁に選ぶのが望ましかったのではないかと思う。
自民党は去る7月の参議院選挙で敗北。自民党と公明党の連立与党は参院選で50議席を目標にしたが、結果は47議席。与党の衆議院と参議院でそれぞれ過半数割れが発生し、自民党内で現政権の退陣と参院選の結果による石破政権の責任追及を早期に求める「石破おろし」が急速に広まった。また昨年10月の衆議院総選挙、今年6月の都議会議員選挙でも立て続けに目標とした議席を確保できなかった。
筆者は在日朝鮮人として、誰が自民党総裁になっても過去の安倍や岸田の時の自民党政権とあまり大きな変化はないとみている。
高校無償化、幼保無償化からの朝鮮学校除外をはじめとする日本政府による在日朝鮮人に対する差別の継続、歴史修正主義の台頭、岸田政権が起こした「政治とカネ」問題、膨大する軍事費など、国内での課題は山積みだ。
今回の総裁選で誰が選ばれるのか注目される。(国)