選挙とSNS
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2024年もあと少し。これが今年最後の私のブログになる。
1年を振り返って考えるのは、タイトルの選挙とSNSの問題だ。
今年、日本では注目を集めた選挙がいくつかあった。
7月の東京都知事選挙、10月の衆議院選挙、11月の兵庫県知事選挙。
これらの選挙でSNSが大きな役割を果たしたと報道されている。
都知事選での石丸現象、衆議院選挙での国民民主党の躍進、兵庫県知事選での斎藤氏の当選、これらの現象をもたらしたのがSNS戦略だったというのだ。
兵庫県知事選ではSNSのこと以外にも様々な問題が浮上した。自分は当選する気がなく斎藤氏を当選させるためだけに立候補した人物が出てきたのがそのひとつだ。
その人物が選挙運動のなか発する明らかなデマがSNSで拡散し、それを真実だ、マスコミが流す情報は嘘だったと考える人がたくさんいたという。マイナスだったイメージをプラスに逆転させた。
真偽が明らかでない言説も、話題になると切り取り動画をアップすることで再生数が増えてお金儲けになる、多くの人たちが発信し、たちまち拡散してしまう。個人攻撃のネット投稿も集中する。
やはり恐怖を覚えるのはデマが真実として拡散されることだ。
昨年9月1日は、関東大震災の朝鮮人虐殺からちょうど100年だった。
昨年10月6日、私はこのブログで「映画『福田村事件』」という文章をアップした。
その中で、映画の森達也監督のNHK福岡のインタビューの言葉を紹介している。次のようなものだ。
「見方を変えれば、SNSで起きていること、あるいはヘイトスピーチやヘイトクライムなど。そうしたことを含めて、『今、日本で起きたら』ではなくて、もう起きているのではないかとも考えます。実際に、あれほど多くの人を殺害するには至っていないけれども、今の社会環境は、質としてはそんなに変わらないように思う」
人々の意識がSNSで容易に変えられる、デマが真実として拡散される。
今年の選挙とSNSの様子を見て、関東大震災の朝鮮人虐殺のようなことがまた起こるのではないかと、本当に心配になる。(k)