バッタの生涯を垣間見る
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先月、学童へ下の子どもを迎えに行き、子どもと歩いて帰る途中、真っ暗な歩道の真ん中で大きな立派なバッタが佇んでいた。
近づいても、動く気配がない。下の子どもと観察しながら、バッタ好きな上の子どもにも電話で知らせた。
4年前、子どもとのバッタ騒動を日刊イオで綴ったことがある(昆虫採集と親と子の攻防)が、あの頃とは少し気持ちも変化し、子どもに「飼っていいよ」と伝えると、虫かごと網を持ってきた。
子は「このバッタ、自分が4年前、放した子孫かな…」となんとも壮大な考えを語りながら、皆で協力して虫かごにバッタをイン。
ここから、バッタ飼育の日々が始まった。
捕まえたバッタは調べるとショウリョウバッタだった。イネ科の草を好むということで、家の敷地内に生えている草を毎日抜いては、バッタに与える子ども。バッタの日光浴も欠かさずさせていた。
そして、夕飯を食べるときも自分の部屋でバッタを傍らに置いて食べていた。そのうち、私も可愛らしく感じ、外にでたついでにバッタの餌である草を運ぶようになった。
そんなある日の早朝、バッタのお尻からオレンジのものがでていた。はじめは糞かなと思い放置してたが、なんだか気になり調べると、ショウリョウバッタの産卵とのこと…!
急いで子どもにも告げる。本来は土の中で産卵しないといけないらしく、そのまま放置すると茶色くなり卵もダメになるとのことで、子どもと一緒に協力して、卵だけ急いで外の土に埋めに行った。
産卵後のバッタは、ムシャムシャと葉っぱを美味しそうに食べていた。だが、その次の日、バッタはいつの間にか虫かごの中で横たわり息絶えていた。
産卵を終え、寿命を全うしたようだった。
バッタは、子どもらと、土へ埋めに行ったのだが、卵の近くに埋めた。土に埋めた卵が無事に孵り、また新たな命がでてくることを子どもたちと祈った。
10日という短い間の飼育だったが、産卵まで見せてくれて、命の美しさや儚さ、生命のつながりなど、私自身も静かに感動した。昆虫飼育もいいものだということに気づいた。子どもを通して、いつも学ばせてもらっている。(愛)