朝鮮高校生裁判支援全国統一行動 全国集会
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2月20日、21日の両日、朝鮮高校生裁判支援全国統一行動「朝鮮学校で学ぶ権利を」が行われ、東京、福岡、広島、兵庫、大阪、京都・滋賀、奈良、神奈川、千葉、茨城、北海道で集会やデモがもたれました。
先週土曜日のこのブログで、2・20文科省行動と文科省への要請、記者会見のことが報告されました。今日は、21日に東京朝鮮中高級学校で行われた全国集会のことを報告します。
集会ではまず、「無償化」問題をめぐる5年間の動きと各朝鮮高校生のメッセージをまとめたビデオが上映されました。
続き、日本の大学に通う同胞学生たちによる演劇「チョゴリ」が上演されました。「チョゴリ」は、1948年の4.24教育闘争を題材にしたもので、解放後に在日朝鮮人がどのような思いで朝鮮学校を作ったのか、そこで子どもたちがどのように学んだのかが描かれます。日本政府の弾圧に対し同胞たちは葛藤を抱えながらも闘います。敗戦した後も日本政府の在日朝鮮人政策は植民地時代と変わりなく朝鮮学校への弾圧は昔も今も形態は変わっても同じように繰り返されてきたという、「無償化」問題の本質を浮き彫りにしながら、あきらめず、妥協せず、闘い続けることの大切さを、ひたむきな演技で表現していたと思います。
演劇「チョゴリ」の一場面
主催者代表のあいさつの後、韓国から駆けつけた「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」の共同代表、ソン・ミヒさんが連帯のあいさつを行いました。闘いを共にすることが遅くなって申し訳ないと心情を語りながら、「わが国には「粘り強い者が勝つ」ということわざがある。日本政府とわれわれのどちらが粘り強いのか、やってみましょう。勝利するその日まで共に闘います」と語りました。そして、今年の4.24を起点として、韓国で署名運動や「60万回のトライ」の上映会、講演会などを行うことを報告しました。
あいさつするソン・ミヒさんと「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」の横断幕
次に、東京朝鮮中高級学校高級部3年の生徒が壇上に立ちました。「無償化を実現できなくて後輩たちに申し訳ない」という言葉を先輩たちから聞かされてきたが、それを卒業する自分も言わなければならないのがつらいしくやしいと語り、3年間の闘いの中で「無償化」問題の本質がわかった、これから法律を学んで同胞社会のために役立つ人材になりたいと決意をのべました。ゆっくりと力強く語る、その言葉の一つひとつが参加者たちの胸に深く染み入った生徒当事者の発言だったと思います。
オモニの代表の発言、福岡、広島、大阪の代表と東京裁判の李弁護士から裁判闘争の報告があった後、最後に集会アピールが読み上げられました。全国集会を新たな契機として、以下3つの運動に全力で取り組むことが訴えられました。
1.朝鮮高校生の無償化裁判の勝利に向けて、全力で支援して行こう
2.日本政府・文科省に対して「高校無償化」(高校等就学支援制度)の朝鮮高校への即時適用を求め、さらに運動を強めて行こう
3.地方自治体による朝鮮学校への補助金の削減・廃止を許さず、支援施策の充実を求め、取り組んで行こう
20、21日の両日とも参加しましたが、改めていろんなことを考えさせられた2日間でした。「無償化」適用実現の運動が広く日本全国、そして韓国に広がっていること、そして「無償化」闘争の重要さを改めて実感することができました。
日本政府が行っている朝鮮学校は外しは差別そのものであり在日朝鮮人を狙い撃ちにした弾圧です。常識で判断すれば裁判は負けないのでしょうが、楽観できるとは思えません。日本という国家を相手にしており、歴史的に続けられてきた弾圧と闘っているということ、マスコミなどを動員し「反北朝鮮」「反総聯」キャンペーンが意図的に行われ明らかな不正義を許してしまう社会状況が作られているからです。
東京裁判の李弁護士は、この「無償化」闘争が4.24教育闘争と同じような重要な闘いであり、その結果は在日朝鮮人の今後を大きく左右する、絶対に負けるわけにはいかない、勝利するためには弁護士だけの力だけではだめで、多くの人たちが共に闘いに参加すること、社会世論の盛り上がりが大切だと語っていました。
まさにその通りだと思います。
全国集会には1200人もの人たちが集まったと言います。その熱気の塊は参加者一人ひとりに闘いへの力と使命感を与えたのではないでしょうか。
全国集会と文科省前行動、全国各地での取り組みについては、月刊イオ4月号の誌面で紹介します。(k)