在日コリアンが宿泊拒否で提訴
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5月13日、共同通信が発信したニュースに注目した。タイトルは「旅券提示強要し宿泊拒否、提訴へ 神戸の在日コリアン女性」というもの。
その後、毎日新聞も5月22日に「宿泊拒否された在日韓国人女性、ホテル運営会社を提訴 「人種差別」」というタイトルで同じ内容のニュースを発信している。
共同通信の記事の冒頭部分を紹介する。
「神戸市に住む在日コリアン3世の女性大学教員が、東京都のホテルで、チェックイン時に旅券や在留カードの提示を求められ、断ったため宿泊を拒否され精神的苦痛を受けたとして、ホテルに損害賠償を求め近く神戸地裁に提訴することが13日、分かった。在日外国人に提示を求める法的根拠はなく、女性は「訴えることで、これは差別で社会問題なのだと表明したい」と話す」
毎日新聞はこの基本的な事実とともに、
「ホテル従業員が女性に、旅券または在留カードを提示するか、日本名(通名)を書くよう要求。女性は旅券などを携帯しておらず、日本名の記載も断ったところ、宿泊拒否されたという。女性は「外国籍を理由にした人種差別に当たる」としている」と「日本名の要求」という内容を付け加えている。
『週刊金曜日』の6月6日号もこの問題を取り上げ詳しく報じている。一部紹介する。
「この訴訟を支援するNPO法人「多民族共生人権教育センター」(大阪市生野区)によると、日本に住所がある在日コリアンがホテルや旅館に宿泊する際に在留カードや特別永住者証明書の提示を求められ、提示を断った場合は宿泊を拒否されるケースが増えており、提示した場合でも目の前の差別に屈したと屈辱的な思いをする人が多いという」
このニュースに注目した理由は、在日朝鮮人に対する日本社会の差別に関する問題であるということもあるが、私自身も同じような経験をしたからだ。
2011年7月、鳥取県に出張に行った際、ホテルに泊まるためにチェックインすると、外国人登録証の提示とコピーすることを求められた。
その時のことは2011年8月3日の日刊イオのブログに詳細を報告している。ぜひ読んでもらいたい。
日刊イオ「ホテルでチェックインの際に外登証のコピーを求められた」
今回の提訴の報道が出たことで14年前のこのブログがまた少し読まれている。
そこでも書いているが、ホテルの対応に腹を立てたが、外に人を待たせていたこともあり、外登証を提示しコピーを取らせた。
あの時、提示とコピーを拒否していたら宿泊を拒否されたのだろうか。拒否されていたらどのように対処しただろうか。
当時の立場上、過激な行動には出ていないはずだ。
『週刊金曜日』の記事にあるように「提示を断った場合は宿泊を拒否されるケースが増えて」いるというのが心を重くさせる。
今回の提訴が今後どのようになるのか注目したい。(k)