『よみがえる声』公開のためのクラウドファンディング、本日まで
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在日朝鮮人2世の朴壽南監督の新作ドキュメンタリー『よみがえる声』の今年夏の公開を目指して準備が進められている。
朴壽南監督は1935年、三重県生まれの在日朝鮮人2世。「小松川事件」(1958年)の在日朝鮮人2世の少年死刑囚、李珍宇との往復書簡『罪と死と愛と』で注目を集めた。1965年より広島と長崎の朝鮮人被爆者や徴用工ら朝鮮人犠牲者の実相を掘り起こし、証言集を出版。1986年、朝鮮人被爆者を描いたドキュメンタリー映画『もうひとつのヒロシマ』を制作、初監督。1991年、沖縄戦の朝鮮人軍夫と「慰安婦」の実相を追った『アリランのうた−オキナワからの証言』を発表。その後、2012年、沖縄戦の集団自決を生き残った住民と朝鮮人「慰安婦」と軍属を描いた『ぬちがふぅ(命果報)−玉砕場からの証言』を、2017年に韓国「慰安婦」当事者の闘いの記録『沈黙−立ち上がる慰安婦』を制作した。
『よみがえる声』は壽南さんがかつて撮影した在日1世らの証言映像をデジタル化し、その過程をまとめた映画だ。
広島や長崎の朝鮮人被爆者、沖縄戦に連行された朝鮮人元軍属、徴用工、日本軍「慰安婦」被害女性―植民地と戦争の歴史の闇に葬られた声なき声を聞き取り、生涯をかけ映像に記録してきた朴監督。数えきれない証言を掘り起こしてきた彼女の元には、80年代から撮影し未公開のまま劣化してきた膨大な16ミリフィルムが積まれていた。「歴史の真実を埋もれさせるわけにはいかない」と娘の朴麻衣さんは母と共にフィルムの復元にとりかかる。本作には、娘であり10代の頃から母の上映活動に同行してきた麻衣さんが共同監督として参加。母の生涯の旅をたどりながら膨大なフィルムを復元し、歴史の記録に向き合う。
『よみがえる声』は2023年の韓国・釜山国際映画祭でドキュメンタリー最優秀賞を受賞し、ベルリン国際映画祭ほか多数の国際映画祭に招待された。
韓国内では昨年11月より一般公開。日本国内では今年2月に高円寺ドキュメンタリー映画祭のコンペティション部門で<グランプリ>を受賞した。現在、今年夏からの劇場公開に向けて配給・宣伝費を募るクラウドファンディングが行われている。
クラウドファンディングの期限は本日5月15日の23時59分まで。
ご協力は以下のリンク先へ。
戦後80年目の夏、在日朝鮮人2世パク・スナム監督(90歳)新作ドキュメンタリー『よみがえる声』を全国の劇場で公開したい
(相)