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川崎で、「第42回在日の想いに語る会」

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 この1ヵ月、「おいでよ、ウリハッキョ」の取材で神奈川県川崎市の川崎朝鮮初級学校に通っています。日本の外国人行政をリードしてきた川崎ですが、近年バッグラッシュもあり、朝鮮学校への補助金がカットされたり、人種差別主義者らがヘイトスピーチを続けていて、人々がしんどい思いをしています。

7月17日、川崎市立桜本中学校で「第42回在日の想いに語る会」があり、足を運んできました。

年に2回、桜本地域の日本の小中学校の先生方と川崎市ふれあい館などが実行委員会を組み、桜本保育園や朝鮮学校などの先生たちと日本学校の教員とが膝を突き合わして話をする貴重な場になっています。

最初に登壇したのは桜本保育園のパク・ヨンジャ園長。8年前から園長として、多文化共生保育を進めてきた実践を話してくれました。

1969年に創立された同園には、現在100名の子どもたちと一時保育の子ども、計120人が在園、11ヵ国の子どもが通っているそうです。

設立当時に取り組んだことは、民族を取り戻す取り組み(民族保育)。「50年前の在日は日本名を名乗り、隠れるように生きていました。差別の中で、私たちのなかの文化、文化を取り戻す作業として、地域で『みうらえいこ』と名乗っていても、保育園ではパクヨンジャと呼びませんかと。文字もルーツの文字で表記して」

発足当初はコリアンの子どもが多数だった保育園でしたが、しだいにベトナム、フィリピン、南米の子どもが増えていくなかで、民族保育から、ありのままを受け止める保育(多文化共生保育)へと変化してきたといいます。

「違いを肌で感じることを大切にしてきました。『目の色、肌の色っておなじかな?』という問いから違いに触れ、朝鮮半島のプンムルノリ、中国のカンフーなど、多様なプログラムを取り入れ、日本語に不慣れな保護者たちには、やさしい言葉で手紙を出しています」

「あたりまえって何だろう」というパク園長の言葉が印象的でした。

保護者への連絡帳に、「お茶をもってきて」と伝えたら、水筒の中に紅茶が入っていた/時間を守らない/保護者が園に何を聞いていいのかわからない/聞いた答えの意味がわからない/ふりがながついていても、「運動会」が何かがわからない…などの出来事があったそうです。

「忙しいママたちにとって大変なことなんですね。水筒にお茶をもってきてくださいと伝えたら、お茶は英語でティーだから紅茶を入れたのです。お茶は麦茶と考えるのは、保育園病ですね。麦茶を入れてきてね、麦茶何か知ってるのか、という所から始めないといけなかった」

「時間を守らないことも、話してみると、そもそも電車が時間通りに来るとは思っていなくて、時間通りに電車が来る日本がすごいと感じていた。あたり前は、みんな違う。相手の文化を知ることが大事です」

「母語と日本語、どっちで育てればいいの?」という問いから来る話も興味深かったです。

「英語が苦手な方は、英語で気持ちを伝えるとどうなりますか? (普段使わない英語を話そうと頭が)フル回転しているから、冷静にしゃべれない。子どもの言葉の力を伸ばしてくには、親自身が自由に話せる言葉で育てることが一番いい環境になるといわれています。子どもの情緒が安定するんです。母語が習得してからの方が、母語習得が定着します。

しかし、今家庭の中で何が起きているかというと、親子で母語が違うので、数学の問題など、子どもがわからないことを親に聞けないのです。家の中の文化は親の文化です。母語の保障は家庭教育の保障で、親の力を保障していくことにつながる。だからこそ、自分が外国人であること、違っていることをあたり前と思えていなから『違っていいんだよ』と言ってあげたい」。外国人の子どもの教育に関して、母語保障をおざなりにした日本の教育現場が一考すべき指摘だと感じました。

川崎朝鮮初級学校で1年生を教えるリャン・チョンフィ先生は、朝鮮学校の歴史と教育についてお話をされました。

「在日の4、5世の子どもたちが学びます。国籍は朝鮮、韓国、日本。1946年の創立以来、2463名が卒業しました。朝鮮語を話すと罰せられた植民地支配の解放とともに言葉と名前を取り戻そうと一世は学校を建てました。運動会の時に警官が押しよせ、学校は閉鎖。さくら小学校の分校になった時期もあります」

リャン先生は、神奈川県内には、5つの朝鮮学校―神奈川中高、横浜初級、南武初級、鶴見幼稚園があると紹介。「子どもたちに自分のルーツ、自国のことを知ってほしい。母国語や母国の歴史、民族の文化を学び、誇りを持ててこそ、他国や異文化を受け入れ、尊重できる心を持つことができる。生まれ育ち、これから暮らしていく日本と在日のことをきちんと学び知ってほしいという思いで、民族教育を続けています」

また、13年、神奈川県が神奈川朝鮮学園への補助金を減らし、学校運営が厳しさを増していること、2010年から始まった就学支援金制度が今も適用されていないことから、日本各地で毎日のように大学生、高校生、保護者、日本の方々が要望を続けていると訴えました。


また、地域でハルモニと運動会やキムチ作りなどの交流を重ねてきたことを伝えながら、「ともに生きる社会のためにがんばっていきたい。日本の方々との交流が増えれば増えるほど、権利も獲得できるのではと思っています」と締めくくった。

終わった後は、グループ別にディスカッション。新人や地方出身の若い先生たちもいて、各地であればいいなと思った会でした。(瑛)

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お願いです!

ヘイトスピーチをはじめとするあらゆる差別を根絶するための一歩として、川崎市が示した条例素案を応援してください。

▽以下シェア拡散希望します▽

「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例素案」に賛成の意見を送ってください。
以下のような一言箇条書きでもいいです。

(意見の例)

・「差別を禁止し、罰則を設けた条例に賛成します。」

・「川崎市の条例案に賛成します。」

・「罰則を設けて実効性の確保をしたことを賛成します。」

・「差別防止対策審査会の意見を聴いて市長が勧告、命令を出し、命令違反の場合に罰則の対象とする仕組みを支持します」。

・「差別防止対策審査会の設置に賛成します。委員には当事者を入れてください。」

・「インターネット対策に賛成します。禁止し罰則の対象にしてください。」

・「不当な差別的取扱いの禁止条項に賛成します。ただし、取扱いのみならず、差別的言動も禁止の対象として下さい。」

・「条例素案に賛成します。ただし、類型要件の「本邦の域外へ退去」は狭すぎるので、最低限、「地域社会からの退去」、もしくはヘイトスピーチ解消法の条文通り「地域社会からの排除」としてください。」

・「不当な差別的取扱いの禁止条項に賛成します。ただし、取扱いに限定せず、差別的言動も禁止の対象としてください。性的マイノリティやアイヌ民族、被差別部落出身者などへの差別的言動についても立法事実があります。障がい者基本法やアイヌ民族施策推進法、部落差別解消法における「差別」には差別的言動も含まれているのに、言動を禁止の対象からはずすのは不整合です。」

・「不当な差別的取扱いの禁止条項に賛成します。ただし「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」の定義がヘイトスピーチ解消法第2条に規定するものでは狭すぎます。ヘイトスピーチ解消法の附帯決議には、オーバーステイの人に対するヘイトスピーチも許されないとされています。在留資格は問わないなどと条文上明記してください。」

・「不当な差別的取扱いの禁止条項に賛成します。ただし「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」の定義がヘイトスピーチ解消法第2条に規定するものでは狭すぎます。国会の審議の過程では、オーバーステイの人や、アイヌ民族などに対するヘイトスピーチが対象外になってしまうことが指摘され、付帯決議に、憲法や人種差別撤廃条約の精神にかんがみた、適切な対処が盛り込まれました。オーバーステイの人や、アイヌ民族へのヘイトスピーチも対象にしてください。
等です。
意見はひとつずつ送ってください。違う論点なら複数カウントされます。

▽条例の素案はこちらから確認できます。

http://www.city.kawasaki.jp/templates/pubcom/cmsfiles/contents/0000108/108585/20190624soan_hp.pdf

▽意見書フォームはこちら

https://sc.city.kawasaki.jp/multiform/multiform.php?form_id=3851&_ga=2.264650063.1990629343.1563332474-328820591.1559024387

 

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