ベルトを忘れた今朝の話
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今日(10日)、ベルトを忘れました。
家をでてしばらくしてから気付きましたので、時間的余裕もなく、引き返すことが出来ません。よって、そのまま会社に向かうことにしました。
歩いていると、ズボンが落ちてきます。すると、ワイシャツがでる。シャツもでる。それを食い止めるためにズボンを上げる。その繰り返し。
ベルトって、すごく大事なんだ、と改めて思いました。
こういうとき、いつも必ず、起こってほしくないことが起こります。
電車内で、知人(女性)と久々に会ってしまったのです。 ただでさえ朝はなるべく誰とも会いたくないのですが、ベルトがない今日に限って、遭ってしまうとは・・・・・・。人生とはこういうものなのでしょう。
「久しぶりです」と、まずあっちから声を掛けてきました。
「久しぶり。・・・・・・っていうか、なんか混んでるね……でもこのくらい混んでて助かったよ・・・・・・今日ベルト忘れたからさ……いや、ほら、混んでいたら、腰の部分は隠れるでしょ? 空いていなくて本当に良かった……不幸中の幸いって、このことかな」
「……そうですか」と、急なベルト話にあっちは困った顔をしながら、しかし、年上の大失敗に気を使ってか、視線を腰にうつすわけでもなく、むしろ話題をベルトから遠のけるように、「いつもこの電車なんですか?」と訪ねてきました。
「うん。……いやいや、いつもより1本遅いよ。本当は、この前の一本早い急行電車だよ……だってほら、今日、朝時間がなくて、急いでたからベルトを忘れたんだ……やっぱり朝は早く起きるべきだね……まったく、本当におっちょこちょいだよ、オレは。でも、こうして混んでて、本当に良かった」
「……そうですか」と、いよいよ対応に困り果ててきた知人でしたが、私も私で、自分のこの見栄というものを電車の外に追いやることができなかったのです。
するとその知人は、急に私の目を見ながら、「……私も、結構、おっちょこちょいですよ。前なんか、定期券を、家に忘れて、大変でした」と、チャーミングな笑顔で話しました。
「定期券か……。でも定期券を忘れても、お金があれば問題ないから。ほら、ベルトはさ、この時間だと、買うこともできないし、お金はあっても、そう簡単に買えないのが、ベルトってヤツなんだよ。近くに服屋があるかい? あってもこの時間にやってるかい? やってないよね。まったく致命的だったよ。本当に朝は、10分でも早く起きるもんだよ」
「……そうですか」と、ほとんど呆れた知人は、「じゃあ、私、ここで降りますね。乗り換えがあるんで」と言ったあと、一度も振り返らずに電車を降りました。
知人はまるで、「会わなきゃよかった」と背中で語っているようで、そんな後姿を見ながら、私は、ズボンと一緒に自分もどこかに落ちてしまったような気がしたのでした。
……と、今日はこんな感じで一日が始まりました。 振り返りながらこうして書いていると、なんだかブログを書くためにベルトを忘れたみたいな感じもしますが、とにかく、致命的なミスをしたときほど、自分が落ちてしまわないために、ベルトのような留め金が心に必要なんだなと思いました。(蒼)
Unknown
いつも楽しく読ませいただいております。
予備のベルトを会社の机の中に1ついれておけばいかがでしょうか?笑
Unknown
ブログが秋バージョンですね^-^
笑わせてもらいました^0^
帰りは大丈夫だったか気になりますね~
Yさん、金オンマへ
コメント、コマッスミダ!
今回の一件で、ベルトを会社のロッカーに入れておこうと決意しました。
帰りは、ズボンの腰の部分をまくって帰りました。すると必然的に丈が短くなり、そっちもそっちで恥ずかしかったのですが、知り合いに会わなかったので良かったです。まあ何よりも、取材が無い日で幸いでした。
ブログが秋バージョンになりましたね。私は東京でも23区から抜け落ちた田舎に家があるので、だからか夜は肌寒くなってきます。
私は昔からあんまり夏は好きじゃないので、「やっと秋だ」的な喜びがありますが(笑)。
……長くなりました。書き始めたら止まりません。
とにかく今日からは、致命的なミスをしても、あまり言い訳をしないようにしました!