2009年本屋大賞第1位の「告白」という作品の感想文
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先日、「2009年本屋大賞第1位」という賞を受賞した「告白」という小説を読んだ。
友人に薦められ読むことになったのだが、感想は、面白かった、だ。
とにかくスラスラ読める。
電車を乗り過ごすほど夢中になってしまったわけではないが、いつの間にか終わっていた、という感があった。
本屋大賞という賞が、どれだけ権威ある賞かはわからないけど、おそらく、この手の賞、そしてこの手の賞を受賞した作品は、必ず、ある種の人たちから批判を浴びる。
「文学の商品化」的内容の批判を。
それは、芥川賞、直木賞も然り。
昨今、月刊誌が相次いで廃刊に追い込まれている。
その原因はたくさんある。あまりにもいろいろな要素がありすぎて、簡単に説明できないけれど、とにかく、さまざまな雑誌が棚から姿を消している。
そのような現状で、どの雑誌も生き残りをかけ、試行錯誤している。
部数の減少を食い止めるために、読者の喜ぶ企画を考える。
それは簡単ではない。
その雑誌の、本来的な媒体的性格もあるし、フリーペーパーがこんだけ多く広がった現在、お金を払ってまで、雑誌を買う人は、少なくなってきるという現実もあるからだ。
本屋も大変だ。
筆者の近所にあった本屋も2件つぶれた。
どうすれば売れるか? に日々頭を使う。
「入り口」をたくさん作ってみる。
潰れそうだったある本屋は、最後の賭けにでたという。一角に、「どうしてこの本は売れないのか?」とキャッチフレーズをつけ販売したところ、全体の売り上げが30パーセントほどアップしたという。
本屋大賞という賞を作り、本が売れたのならば、それはそれで、素直な気持ちで拍手を送りたいと思っている。
そして、筆者は先日、「告白」を読んだ。
友人が貸してくれなければ、絶対に読むことはなかった。
面白かった――感想はそれに尽きてしまった。
だから、買わずに良かったとも思った。
それでも、本屋大賞という賞を考えた人に、筆者は深く感服している。(蒼)