東京朝鮮第1初中級学校
広告

東京朝鮮第1初中級学校
今月のウリハッキョ
- 創立:1945年12月15日
- 校長:康哲敏
- 児童・生徒・園児数:317人(うち付属幼稚班が36人)
- 学区:荒川、台東、文京、千代田、北区、東葛地域
- 交通:JR三河島駅から徒歩10分
緑の芝生の上で、今日も裸足で飛び跳ねてます
荒川という同胞集住地域に建つ東京朝鮮第1初中級学校は、関東の初中級学校の中で児童生徒数が一番多い。
同校に足を踏み入れてまず目に飛び込んでくるのは、緑色にまぶしく光る運動場だ。生徒たちの教育環境を良いものにしようと、同校創立50周年を迎えた2005年に、保護者や卒業生たちの寄付により、運動場に人工芝が敷かれた。初級部児童、特に付属幼稚班の園児たちは、毎日芝生の上を裸足で飛び跳ねている。
運動場の芝生化が功を奏してか、中級部サッカー部の活躍が、今年のホットな話題だ。今春の東京都大会でベスト16入りを果たし、秋季大会では荒川区で優勝、続くブロック予選も優勝し、都大会でベスト8に輝いた。9月に行われる日本各地の朝鮮学校が集う中央大会では、優勝を目指している。

奇麗に整理された図書室で読書を楽しむ生徒たち
同校がいま力を入れているのは、読書活動だ。本を身近に感じてもらおうと、図書室を改めてきれいに整備し、今年4月から毎朝10分間の読書の時間を設けている。子どもたちにとっても図書室は、楽しい本を借りられる場所として人気だ。図書室効果もあってか、家庭では子どもたちが両親に本をねだることもあるそうで、とあるオモニは「毎日でも本を買ってあげたい」と、読書に目覚めたわが子の姿に喜んでいると、康哲敏校長(39)は笑う。
そしてこれまでの準備過程を経て今年4月にスタートした試みが、「特別支援学級」だ。心身に障がいがある児童のための特別支援授業で、その対象者に合わせて、文字書きや言語発達のための授業が、毎日数時間行われている。これまではどうしても教員たちの個別の努力に頼りがちだった特別支援教育を、臨床発達心理士など専門家の力を借りながら、学校のカリキュラムとして運営するようになったのだ。
また、共働きの保護者が多い同校では、そのニーズに応えるために、2008年から学童保育を開始した。それ以外にも延長保育、夏季保育なども行っている。
学校を支援する保護者たちの活動も活発で、オモニ会では学期に一度、チャリティバザーを開催し、また初中級部児童生徒には学期に1回、幼稚班園児には毎週土曜日に給食を振舞っている。
アボジたちも校内の補修やペンキ塗りなど、力仕事に精を出して、子どもたちの学び舎をより良くしようと奮闘している。また卒業生たちの愛校精神も強く、今年5月には、還暦を迎えた同校4期卒業生たちが、プロジェクターを寄贈した。
同校の特徴として挙げられるのが、来校者が多いことだと康校長は話す。同胞や地域住民もさることながら、韓国からの来客もあるという。「普段の学校、子どもたちの姿を見てもらいたい」という方針から、学芸会や公開授業などの行事以外でも、希望があれば学校を開放している。
近年では、南北朝鮮と日本の子どもたちと絵画を通じた交流を行っている、韓国NGO「南北オリニオッケドンム」が毎年同校を訪れている。今年も5月にも、同校を訪れた南の子どもたちと同校児童が、手作り名刺を交換したり、一緒にワークショップをして楽しんだ。