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コラムに関する 147 個の記事をリストしました。

同胞たちの強い意志が響いていました

  三月十七日に、福島朝鮮初中級学校を訪問した時のことを書きます。 校長室で金政洙校長先生とお話ししているうちに給食の時間になり、わたしたちは食堂に移動しました。 ちょうど、八人の先生と十一人の生徒が一堂に会して、ハヤシライスとサラダとリンゴという献立の給食を食べようとしているところでした。 わたしは、食器にごはんとハヤシライスをよそって、「アンニョンハシミカ」と、六年生の女子生徒二人と担任の金姫順先生の席に座りました。 「アンニョンハセヨ」彼女たちは、少し訝しげにわたしの顔を見ました。 「六年生というと、二人は、卒業?」 「はい」と答えたのは、大きな黒い目が印象的な少女でした。 「午後は何の授業なんですか?」わたしは金姫順先生に訊ねました。 「習字です。習字は週に一度、毎週月曜日なんです。あと、卒業アルバムを作ったり、ね」 彼女たちは黙っていました。 「二人きりの卒業アルバムだと、二人のページがたくさんあっていいですね」 わたしは、今度訪ねる時は、授業や放課後もいっしょに過ごし、彼女たちと打ち解けて話をしたいな、と思いました。   リュウ・ミリ●作家 1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。

福島朝鮮初中級学校を訪れました

いつか、訪れたいと思っていた福島朝鮮初中級学校に訪れることができました。

「選択する未来」委員会なるもの

  インターネットのニュースで「選択する未来」委員会なるものの存在を知りました。 「選択する未来」委員会とは、人口減少が進むことで懸念される国内需要の縮小や労働力の減少などの解決法を議論するために、安倍晋三首相の指示で経済財政諮問会議の下に設置された専門調査会だそうです。 二月二十四日に「選択する未来」委員会の第三回会合が行われました。 そこで提出された内閣府の資料によると、何の策も講じなければ、日本の人口は二〇一二年の一億二七五二万人から、二〇六〇年に約八七〇〇万人、二一一〇年には約四三〇〇万人――、百年で約三分の一程度に減少するという。   リュウ・ミリ●作家 1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。

書き初めで「志遠」を書きました

 今年の元日は、家族で書き初めをしました。
 一緒に暮らしている村上くんは「朝鮮」、息子は「実行」、わたしは金日成主席の父である金亨稷氏の座右の銘である「志遠」を書きました。

日本とスウェーデンの移民政策

  昨年十月二十八日、スウェーデンの首都・ストックホルムのダンス博物館で、講演を行いました。白黒の市松模様の床で、そのまま舞踏会ができそうなクラシックなホールでしたが、わたしは「日本と朝鮮半島の間に在ることの意味と、東日本大震災以降の文学者としての立脚点」というシビアな話をしました。  講演終了後、ホールは立食パーティーの会場となり、集まってくださった方々とワインを片手に話をしました。   リュウ・ミリ●作家 1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。

ストックホルムでの対話

  十月二十五日から三十一日の一週間、スウェーデンの首都ストックホルムに滞在しました。  駐日スウェーデン大使のラーシュ・ヴァリエさんから「今年スウェーデンへいらっしゃいませんか」とご招待をいただき、ストックホルム大学・東洋学部日本学科の学生たちとのディスカッションと、ダンス博物館での講演が実現したのです。  ヴァリエ大使は、十四年前にわたしの「潮合い」という短編をスウェーデン語に翻訳してくださった方で、リトアニア、韓国に大使として赴任されて、二〇一一年にスウェーデン大使として日本に戻ってこられました。   リュウ・ミリ●作家 1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。

「遅いが、まだ遅すぎない」

  もし、我が子が他人の子(Aくん)をイジメて怪我を負わせたとしたら、保護者はどんな対応をすべきでしょうか。 まず我が子やAくんや学校関係者や他の生徒から事情を聞く。我が子が「みんながイジメてたから、僕もやったんだ。なんで僕だけが責められるのかわからない」などと言ったら、「あなたがイジメたかどうかが問題だ。あなたは自分のしたことに責任をとらなければならない。みんなもやっていたと責任逃れをしようとするのは卑怯だ。AくんとAくんのご家族に謝りに行かなければならない。謝ってもイジメたという事実、Aくんの心と体、Aくんのご家族の心を傷つけたという事実は消えない。許してもらおうなんて虫がいいことを考えてはいけない。謝って、Aくんとご家族のお話を聞く。そして、どのような償いをすればよいのかを考えるしかない」と話し、Aくんのお宅に電話を掛けて謝罪し、今から息子と二人でお宅に伺わせてくださいとお願いする――。   リュウ・ミリ●作家 1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。

TPP交渉への参加は人々を豊かにするのだろうか― 自由貿易の利益と不利益

  康明逸●朝鮮大学校経営学部助教 本連載の最終回となる今回は、日本政府が今年3月に交渉参加を表明した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を考えるために、自由貿易にまつわる経済学的知見についていくつかのべたいと思う。 国際分業の在り方を考えるとき、単純に、他国よりも生産性の高い財に特化すれば、貿易による利得を最大化できると考えがちである。しかし現実には、産業技術水準が高くあらゆる財の生産性で優位(「絶対優位」)に立つ国と、そうでない(「絶対劣位」にある)国との間にも、分業に基づいた貿易が成立する。これは、同一産業同士の生産性比較のみでは国際貿易のメカニズムを解明し得ないことを意味する。 経済学では、ある産業の同国内他産業に対する相対的な生産性を国家間で比較し、そこで優位(「比較優位」・キーワード参照)に立つ産業に資源を集中することで、貿易のない閉鎖経済よりも多くの富を獲得できると主張する。この場合、全ての産業で国際的に絶対劣位に甘んじている国であろうと、比較優位にある産業を見つけ特化することで、貿易による利益を享受できる。  

私は朝鮮半島で暮らしてみたいのです

  朝鮮語を勉強しています。と、この連載で書くのは三度目なのですが、今度こそ、日常会話に不自由しなくなるまで勉強を続けられそうです。  六月二十二日の誕生日に四十五歳になり、自分の残り時間を考えてみました。残り時間というのは、生きられる時間ではなく、創作に打ち込める時間のことです。十年後、五十五歳になっている自分は、今と変わらず書くことと格闘している、と想像できます。でも、その十年後の六十五歳の自分は――、どんな生を歩んでいるのか、それまでの生の続きのようには想像できないのです。   リュウ・ミリ●作家 1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。

円安の是非を考える

  康明逸●朝鮮大学校経営学部助教 1ドル=97.9円。本コラム脱稿時の円ドル為替相場である。昨年の同時点では77.9円だったので、円通貨の対ドル価値は一年間で26%も下落した計算だ。一般的に円安は、日本経済にとって有利だと言われることが多い。自国通貨価値の減価は海外における自国製品(輸出製品)の価格低下へと繋がるため、海外需要増が国内経済にとって好条件となるからである。 「『アベノミクス』の『3本の矢』、なかんずく大胆な金融緩和で、それまで円高・株安に苦しめられていた状況を一気に脱し、円安・株高を短期間で成し遂げたのは、『業績評価』になったと言えよう」(自民党メールマガジン2013年8月23日)と、与党内でも円安を「導いた」経済政策を自賛する声は多いが、果たして、昨今の円安は、現行政権の政策の「成果」であり、また日本経済にとって良い状況を招いていると言い切っていいものなのだろうか。  

息子とふたりで山登りに行きました

  中学二年の息子とふたりで山登りに行ってきました。どの山にするか、何日の行程にするかは全て息子に任せたところ、北アルプスの「表銀座」または「アルプス銀座」と呼ばれるコースを選びました。  息子の身長は百七十一センチ、体重は八十キロ台もあり(詳細は秘密だそうです)、運動は全般的に苦手なのですが、山にだけは毎年夏になると行きたくなるそうです。   リュウ・ミリ●作家 1968年生まれ。神奈川県出身。鎌倉市在住。1993年、「魚の祭」で第37回岸田戯曲賞受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。2008年10月、朝鮮民主主義人民共和国を訪問。近著に「自殺の国」がある。

「大胆」にも根拠乏しい金融政策

  康明逸●朝鮮大学校経営学部助教 第2次安倍政権が発足して以降、同政権は①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間投資を喚起する成長戦略の三つを経済運営の基本方針として掲げた。毛利元就の「三子教訓状」にまつわる故事になぞらえて「三本の矢」と力む安倍氏ではあるが、選挙地盤の藩祖の威光と裏腹に、その効果について有識者からの異論は多い。今回は安倍氏の三つの経済政策のうち、一つ目の金融政策について見てみたい。  

高校無償化本2

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